9話 信じろよ ページ17
「サッカー部はどうなっちゃうんでしょう……」
休憩中、ピッチの外に座り込み、速水が呟いた。
「久遠監督は、こんながんじがらめの状況でも、俺たちの自由を認めてくれていたよな」
「でも、それも出来なくなりますね……」
車田も霧野も、俯いたまま居なくなってしまった監督に想いを馳せている。
彼らのようにサッカーに熱い者ばかりではない。
南沢は興味なさそうに、「ま、」と両手を頭の後ろで組んだ。
「どうせフィフスセクターから来るんだろ？ 適当に言うこと聞いて、内申書で合格点を貰えばいいさ」
「っそれでいいのか！？」
『まーまーまー』
たまらなくなって、Aは間に割り込んだ。
その手にはいつのまにか、籠に入った人数分のドリンクが握られている。
その一つを南沢の目の前に突き出すと、ビクリと仰反る彼を見て、ニコッと笑った。
『そうつれないこと言うなよ、篤志』
「……」
少しだけ顔を赤らめて、そっぽを向きつつもそれを受け取る。
『どんな奴が来ようと、僕がなんとかするって』
「なんとかって、どうやって……」
車田、霧野、三国……と一人ずつ渡していき、霧野の問いに得意げに目を細めてみせた。
『やり方はいくらでもある。このチームを決してフィフスセクターに渡したりはしないさ。心配すんな』
「Aさん……」
「……でも……」
『あーもー！』
「わぁぁ！？」
俯く速水にずいっと突き出されるドリンク。
目前にオレンジ色のプラスチックがやって来て驚き、速水は後ろへこてんと倒れてしまった。
「もー……」と不満をあらわにしながら起き上がるが、そこには速水の心を掴んでくるような、優しい笑みが浮かべられている。
『僕を信じろよ。絶対守ってやるから』
「「……！」」
『な？』
「は……はい」
頭を撫でられ、顔を赤らめる速水。
速水だけじゃなく、その安心を任せられる言葉に、雷門イレブンの心は軽くなった。
その時だった。
「その通りだ！」
「「！」」
よく通る声が、頭上から降って来た。
振り返る彼ら。そして、A。
その青い目が、ゆっくりと見開かれる。
『え……！？』
逆光で見えなかった顔が、あらわになっていく。
日に焼けた肌。大きくなった背。しかし、その額のバンダナと、黒い瞳は変わっていない。
Aの胸が、キュンと鳴いた。
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杳覇(プロフ) - 初見朧さん» いやいやこちらこそ！書いてくれてほんっとうにありがとおおおおおおおおう！！！(大丈夫、私も初見朧のイラストもらった時ニヤニヤが止まらんかった) テスト終わった！(双方の意味で)滅びればいいのに！！！ テストがんばってねー！！ (2020年10月9日 19時) (
レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
初見朧(プロフ) - 紹介してくれてありがとう！いや〜、いざこうやって書かれるととても嬉しい(クッソにやにやしてます)(気持ち悪い)ああああ私もテストが近い！嫌だ！滅びればいいのに！((お互い頑張ろー！ (2020年9月15日 20時) (レス) id: 539b906aee (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - オムライス(＾ω＾)さん» 嬉しかった！！ありがとう！ありがとう！！ここまで続けて来られたのはオムちゃんのおかげです！！ ぎゃーいいの！？いいの！！？めっちゃ楽しみにしてます……！！(こちらこそ長文失礼しました！) (2020年9月9日 5時) (レス) id: 8682462ce1 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - オムちゃあああああんありがふううううう！！ええええ全然無理しないで！？そりゃ来たらめちゃくちゃ嬉しいけどぜひぜひ部活の方をご優先して…！！ そ、そうなのか…！そんなすごいタイミングで読んでもらえて嬉しいです……！！私も、いっぱい描いてもらえて本当に (2020年9月9日 5時) (レス) id: 8682462ce1 (このIDを非表示/違反報告)
オムライス(＾ω＾)(プロフ) - （まだ続くよごめんね）くらちゃんと出会うきっかけになった天空の巫女三周年！本当におめでたい！遅刻という形になっちゃうけどまたイラスト描いたら送らせてもらうね！！改めて三周年&東雲ちゃんおたおめ！！（長文失礼しました！！） (2020年9月8日 23時) (レス) id: ee2c875216 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杳覇 | 作成日時：2020年7月25日 21時
