命令70＃ フィールドを汚す者 ページ26
「落ち着け、鬼道！」
「お前らしくないぞ」
「……だが、このチームに裏切り者がいるのは事実だ」
守さんと一郎太さんが宥めるが、有人さんは声を絞り出して言った。
その言葉を聞いて、守さんが顎に手を当てる。
「俺は、一星が本当に悪い奴とは、思えないんだよな」
「何だと！？」
守さんの零した言葉に、凌兵さんが声を上げた。
その目は信じられないというように見開かれている。
「あいつは豪炎寺を手にかけた奴らの仲間なんだぞ！」
「え！？鬼道さん、それ本当なんですか？」
……そっか。凌兵さんが充さんを排除しようとしてた理由は、有人さんに促されたからだけじゃなく、そういう意味もあったんだ。
尊敬するストライカーである、修也さんを失ったから。
……けれど、充さんが手を掛けたわけではない。
「それだけじゃない。忘れたのか円堂。一星は練習中にお前に怪我させようとしたんだぞ」
「円堂さんに怪我を！？」
「Aだってそうだろう。もしかしたら、お前は一星のせいでこの場にいられなかったかも知れない」
「何！？Aにもか！？」
昂さんとヒロトさんが、血相を変えて割り込んできた。
有人さんの瞳は、充さんを庇った僕に、『何故だ』と問いかけている。
「おいおい！まだそうと決まったわけじゃないだろ！」
「……あいつを許してはおけない」
守さんの言葉にも聞く耳を持たず、有人さんは皆さんに向かって訴える。
「監督が動かないのなら、俺達であいつを排除するしかない！」
「鬼道さん、そんなこと出来るんですか？」
「出来る。しかし、それには大義名分が必要だ。
下手な反撃をすれば、こっちが返り討ちを食うだろう。
大観衆が見ている試合の真っ最中に、一星と、その背後にいる組織の悪行を暴露する！！
フィールドを汚すものを許してはおけない。次の試合でカタをつけてやる！」
……有人さんの目は、本気だ。
大変なことになってしまった。このままじゃ、チームの連携から見てもまずい。
どうにかしなきゃ、と思ったその時だった。
「──全員その場を動くな！」
複数の男達が、更衣室にズカズカと入り込んできたのは。
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杳覇(プロフ) - 陽菜さん» コメントありがとうございます！ どの辺りまでご覧になったのか存じ上げないのでネタバレになってしまったらすみません。今作の命令91でバラしています。 (2020年8月24日 20時) (
レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
陽菜 - みんな女の子だって知ってるの？ (2020年8月24日 19時) (レス) id: 0dcd5b296d (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 初見朧さん» ありがとーう！！ええ凄いまだ見てくれていたの！？とっくに見放されていたかと……(( ありがとう！！更新ｏ(･д´･+)ゞ頑張ﾘﾏｯｽ♪ (2020年4月14日 17時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - りのくさん» りのく様ー！！ありがとうございます！！詳しくご感想頂き感激です…！！ そこです！漸く蓬莱ちゃんが女の子になったので、ヒロトくんには「後輩」ではなく「異性」として蓬莱ちゃんに接して貰います…！！ご期待ください！ 本当にありがとうございます(T ^ T) (2020年4月14日 17時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 氷浦メグさん» そうなのですね！時間が出来たらぜひ見に行きます！！お力になれたのなら幸いです＾＾ (2020年4月14日 17時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杳覇 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec2/
作成日時：2020年3月23日 10時
