第304話 一之瀬の覚悟 ページ33
「誰だ！？」
『っ……』
土門の声。響いてくる足音。
逃げることが出来なかった。
曲がり角までやって来た、土門を見上げる。きっと私は今、複雑そうな表情をしていることだろう。
土門は私を見るなり、目を見開いた。
「美麻A！？」
「！」
きゅっと唇を引き結ぶ。諦めて、一之瀬の前に出た。
一之瀬の目には動揺が表れている。けれどきっと、私も同じ目をしている。
暫しの沈黙ののちに、私はそっと口を開いた。
『……どういうことなの』
「「っ！」」
思ったより声が低くなってしまった。一之瀬をまっすぐに見つめる。
一之瀬は土門と顔を見合わせ、……はぁ、と小さなため息を零した。
「……イナズマジャパンのみんなには、内緒にして欲しい」
一之瀬はそう前置きをし、事実を語り始めた。
小さい頃にあった事故。秋達と一之瀬を離れ離れにした事件。
それが原因で、一之瀬は手術をしなくてはならなくなった。
それも、成功確率は50%。こうしている間にも、どんどん下がって来ている。
治っても、サッカーができるかどうかは分からない。
その全てを聞いた時、私の中に衝撃が走った。
『そんな……』
小さな体で、右も左も分からないような時に、事故にあって。
その時に経験すべきだったことを全部手放して、ようやくサッカーが出来る様になって。
いよいよ世界大会だというのに、また……？
「……俺にとってこれが、最後の戦いになるかも知れない」
『っ！』
「だからこそ、円堂達には黙っていて欲しい。あいつらと全力で試合するために」
一之瀬の目は本気だ。
相当の覚悟を持ってここに来たんだろう。最後の試合は、守達とやりたいと。
それなら、私は一之瀬の覚悟を尊重しなくてはならない。
震える拳を握りしめて、口を開こうとしたその時だった。
「──何、それ……？」
「「！？」」
『秋……！』
それを秋が聞いていたなんて、思いもしなかったんだ。
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杳覇(プロフ) - 蒼乃さん» うわあああまただ！！ごめん！！すぐ書き直してきます！！ (2020年3月15日 18時) (
レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 鈴苺 （ﾚｲﾒｲ）さん» 本当にありがとうございます(泣)よろしくお願いします！！ (2020年3月15日 18時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃(プロフ) - 311話の「一之瀬とビリーいとも簡単に」って、「一之瀬とビリーをいとも簡単に」じゃないかな？間違ってたり、わざとそうしてたんだったらごめん！！ (2020年3月15日 18時) (レス) id: c9e288890e (このIDを非表示/違反報告)
鈴苺 （ﾚｲﾒｲ）(プロフ) - いえいえ、全然大丈夫です！下手ですが、描かせていただきます！！ありがとうございます！！ (2020年3月13日 18時) (レス) id: 8922abe964 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 蒼乃さん» 良かったぁ〜、不動さんのイケメンさはこだわったもので……！！モヒカンのくせに(笑) うわああああごめん！！ありがとう！！すぐ直します！助かった！！ (2020年3月9日 15時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杳覇 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec2/
作成日時：2020年2月16日 19時
