第293話 ありすぎた ページ20
『……はぁ』
小説を更新しながら、私は何度目か知らないため息をついた。
さっきの監督の一言で、目が覚めた。
影山は関係ない。私は私のサッカーをすれば良いのだと。
けれど、士郎のことは？私のことは、どうして忘れていられよう。
『！』
コメントを一人一人読んでいて、気になるものが目に留まった。
〈恋愛感情の表現が凄い！リアルで素敵ですね！〉
〈前の恋愛ものより、格段に上手くなっててびっくりしました！〉
『……っ』
そういえば、以前書いていた恋愛小説よりも、今書いてるやつの方が、共感のコメントはたくさん来ている。
やっぱり、恋をしているからなのかしら。
……自覚したのはつい最近の話だけれど、この小説を書き始めたのはもっと前。
やっぱりその頃から、私は明王のことが好きだったのかしら。
「美麻。電話だ」
『電話？誰からでしょうか』
「久遠からだ」
『！』
響木さんに受話器を渡され、驚きつつ受け取る。
そういえば、昼間から監督の姿を見ていない。
私達にゆっくり頭を冷やさせるためだと思っていたけれど、何かあったのだろうか。
『もしもし』
──「美麻。私だ」
『どうしたんですか？守や冬花も宿舎に帰ってきてないんですけど、一緒ですか？』
──「ああ。……冬花が、気を失った」
『！！』
危うく、電話を取り落とすところだった。
久遠監督の話によると、記憶が戻ったわけではないらしい。
守と共に買い物に行った際、突然トラックが突っ込んできて、一時的にショックを受けたのだろうということだった。
今は意識を取り戻し、念のため1日病院で様子を見るそうだ。
そして、冬花の過去の話を、守に全部伝えたことも聞かされた。
『……でも、何で私に……』
──「……何故だろうな」
『え？』
キョトンとして、聞き返す。
監督は暫く黙っていたが、やがて、どこか悲しげな声が受話器から耳に届いた。
──「私は、間違っていたんじゃないか。冬花に催眠療法を行なったのは、間違いだったんじゃないだろうか……」
『……』
監督の問いかけは、私の答えを必要としていなかった。
それは、監督が初めて私に見せた、本当の弱さだったのかも知れない。
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杳覇(プロフ) - 蒼乃さん» うわあああまただ！！ごめん！！すぐ書き直してきます！！ (2020年3月15日 18時) (
レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 鈴苺 （ﾚｲﾒｲ）さん» 本当にありがとうございます(泣)よろしくお願いします！！ (2020年3月15日 18時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃(プロフ) - 311話の「一之瀬とビリーいとも簡単に」って、「一之瀬とビリーをいとも簡単に」じゃないかな？間違ってたり、わざとそうしてたんだったらごめん！！ (2020年3月15日 18時) (レス) id: c9e288890e (このIDを非表示/違反報告)
鈴苺 （ﾚｲﾒｲ）(プロフ) - いえいえ、全然大丈夫です！下手ですが、描かせていただきます！！ありがとうございます！！ (2020年3月13日 18時) (レス) id: 8922abe964 (このIDを非表示/違反報告)
杳覇(プロフ) - 蒼乃さん» 良かったぁ〜、不動さんのイケメンさはこだわったもので……！！モヒカンのくせに(笑) うわああああごめん！！ありがとう！！すぐ直します！助かった！！ (2020年3月9日 15時) (レス) id: 37d55cd9aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：杳覇 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec2/
作成日時：2020年2月16日 19時
