第118話 温かい ページ31
「あいつ、どうしたんだ？」
「さあ……」
土方の質問にも、首を捻る事しか出来ない。
寧ろ俺が聞きたい。美麻は一体、何を抱えているんだ？
俺じゃ、頼れないのか？
不意に、ちらりと不動を見た。
集まって来てはいないものの、視線は美麻が去って行った方向へと向けられている。
俺じゃダメだけど、あいつなら……。
「ッ！」
そう思った瞬間、胸にモヤモヤとしたものが広がって、思わず胸元の服を掴んだ。
なんだ、この感じ……。
Aside
ｶﾞﾗｯ
「……いらっしゃい」
雷雷軒の扉を開く。
座って本を読んでいた響木さんは、私が入ってくると何もかも分かっているかの様にカウンター席に促した。
「……ほい」
『……』
目の前に出された熱々のラーメン。
しかし私は箸を持つ事もせず、膝の上でぎゅっと拳を握っていた。
「……ファイアードラゴンにいた、少年の事か」
『……はい』
そっと顔を上げると、サングラス越しに此方を見つめていた響木さんの優しい目と合う。
その瞳を見ていたら、自然と心が落ち着きを取り戻していった。
『……彼が選手となると、あの時の事が蘇るんです。試合中、もし大切な場面でそれが起こったら……』
ゾッとして、言いながら体を強張らせ、俯く。
『次の試合は、沢山の試練があって、イナズマジャパンが大きく成長する……お願いです。響木さんからも、監督に頼んで下さい…！』
「……」
響木さんは何も言わない。
それでも私は視線を上げなかった。
「……そう気を張るな」
『！』
大きな手が、頭に乗る。
じんわりと温かい。
響木さんに、カウンター越しに頭を撫でられていると気が付くのに、そう時間はかからなかった。
「いつまでも昔の事を引きずっていても、何も変わらない。すぐには難しいだろうが……。
まあ、とりあえずこいつでも食え。どうせ、朝食も食べていないんだろう」
『響木さん……』
言われるがままに、箸をつける。
その日食べたラーメンは、今までの中で一番美味しく、一番温かかった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
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8
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Vermut(プロフ) - 蒼乃さん» wwありがとう！！そうよね、不動絶対赤面してる！！(笑) <(_ _*)> ｱﾘｶﾞﾄｫ (2019年1月23日 20時) (
レス) id: 6de8030682 (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃(プロフ) - 『きゃ……！』とはなんだ『きゃ……！』とは！！かわいすぎるじゃないか！！普段クールな美麻ちゃんがそんな可愛いことをしたら不動がどうなると思ってるんだまったく！！素晴らしい！！← (2019年1月23日 18時) (レス) id: e3feac7888 (このIDを非表示/違反報告)
Vermut(プロフ) - 奇凛さん» あああありがとうっ！！ (2019年1月11日 5時) (レス) id: 6de8030682 (このIDを非表示/違反報告)
奇凛(プロフ) - なっなぜだ？なぜ通知がこなかったぁぁぁぁ見るのがものすごくおくれた。。。。気を取り直して、遅れたけど、続編おめでとう！ (2019年1月10日 20時) (レス) id: e605ff304b (このIDを非表示/違反報告)
Vermut(プロフ) - 蒼乃さん» 惜しい(笑) ここからあのシーンに入っていk((←ネタバレ ありがとおおおお(泣)頑張りますっ！！当日だから遅くないかもねwwメリークリスマス！(完全に遅い) (2018年12月26日 11時) (レス) id: 6de8030682 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Vermut | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec2/
作成日時：2018年12月25日 17時
