第115話 背番号 9 ページ28
春奈の手が、濡れた髪をとく。
生暖かい風が首元に当たる。
轟音。何を言っても聞こえない程のドライヤーの音は、私に考え事をさせるのに丁度良かった。
「Aさん、髪質すっごく良いですね！めちゃくちゃ綺麗です！」
『……そんな事ないよ。春奈ちゃんだって綺麗だわ』
「えへへ……Aさんには負けますよ！」
眠気がさす程に心地いい。
ぼーっと座っていると、懐かしい感覚が蘇ってくる。
《A。一緒に練習しよっ？》
《私達、同じチームだったら良かったのにね……》
『……楓……(ﾎﾞｿｯ』
「？何か言いましたか？」
『……ううん、何でもない』
……サッカー、やってても良いのだろうか。
こんな私でも、みんなと一緒にまたサッカーを。
「……オッケーです！乾きましたよAさん！」
『ありがとう、春奈』
「いえ！」
無邪気にニコッと笑い、春奈はドライヤーを片付けに行ってしまった。
私も席を立って椅子を元に戻し、洗面所へ向かう。
鏡に映る自分をまじまじと見つめた。
『……みんな、進んでる』
タオルドライより、髪は綺麗。
光を受けてツヤツヤと輝いている。
それでも私の表情は、曇っていた。
『……私はあれから立ち止まったままだわ』
鏡の中の自分も此方を見つめている。
憎々しい程に暗いその表情は、どこか私を嘲笑っているみたいだった。
『……さぁーてと』
就寝時間を超えたところで布団から抜け出し、ノートパソコンの電源を入れる。
スマホは小説専用だから、調べものをする時はいつも愛用のこのノートパソコン。
……昔に入り浸っている時間はない。
私は私で、出来る事をしなくちゃ。
『……へえ、��パーフェクトゾーンプレス��ねぇ……』
泥の特訓はコレの対策だったのか。
にしても選手の顔触れ……何処か見たことある様な……。
9番が特に気になる……誰だっけ。
『……!!!!』
画面に表示された名前と顔を見て絶句した。
湧き上がる恐怖。背筋に冷たい汗が流れる。
駄目だ。今回私は、足手纏いにしかならない。
『……試合には、出られないッ……!!』
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Vermut(プロフ) - 蒼乃さん» wwありがとう！！そうよね、不動絶対赤面してる！！(笑) <(_ _*)> ｱﾘｶﾞﾄｫ (2019年1月23日 20時) (
レス) id: 6de8030682 (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃(プロフ) - 『きゃ……！』とはなんだ『きゃ……！』とは！！かわいすぎるじゃないか！！普段クールな美麻ちゃんがそんな可愛いことをしたら不動がどうなると思ってるんだまったく！！素晴らしい！！← (2019年1月23日 18時) (レス) id: e3feac7888 (このIDを非表示/違反報告)
Vermut(プロフ) - 奇凛さん» あああありがとうっ！！ (2019年1月11日 5時) (レス) id: 6de8030682 (このIDを非表示/違反報告)
奇凛(プロフ) - なっなぜだ？なぜ通知がこなかったぁぁぁぁ見るのがものすごくおくれた。。。。気を取り直して、遅れたけど、続編おめでとう！ (2019年1月10日 20時) (レス) id: e605ff304b (このIDを非表示/違反報告)
Vermut(プロフ) - 蒼乃さん» 惜しい(笑) ここからあのシーンに入っていk((←ネタバレ ありがとおおおお(泣)頑張りますっ！！当日だから遅くないかもねwwメリークリスマス！(完全に遅い) (2018年12月26日 11時) (レス) id: 6de8030682 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Vermut | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Detectivec2/
作成日時：2018年12月25日 17時
