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『それから、2日くらいたって
いつもみたいに幼稚園に行ったの。
そしたら、お迎えがママと・・・
今のパパだったんだ』
きゅっ、っと小さな手で俺の手を握るA
心なしかその力は弱い
だけど、俺に縋るように強く握っているようにも感じる
『パパが一緒にいるとね
周りの友達はAに話しかけてくれなくなった
ゆみちゃんのママも、ゆうくんのパパも、こっちを見ないようにしてたみたい』
『う、うわぁーん・・・』
キヨ「ちょ、A・・・!?」
突然泣き出したAに、思わずしどろもどろになってしまう
フジは全てを察したようにAの頭を優しく撫でた
フジ「頑張ったんだね、よしよし」
『ママが・・・「ママ達じゃなくて周りが悪い」って言うからここに来たのに・・・
ゆみちゃん達に会いたいよ、もうパパに叩かれるのやだよ・・・』
キヨ「A・・・っ」
俺は思わずAを抱きしめた
『キヨ、苦しいー・・・』
Aの籠った声が俺の胸元から聞こえてくる
フジ「お、おいキヨ・・・お前が泣いてどうすんだよ・・・」
キヨ「っぐ、だってッ・・・よぉ・・・!こんなめんこいやつを叩くなんて許せねぇよ
辛かったよなぁ、痛かったよなぁ、A・・・よく耐えたなぁっ」
気がつけばボロボロと涙を零していた
キヨ「ほんっとに偉いぞ・・・!
ほんっとに可愛いなぁAは・・・!」
Aの頭に頬を擦り寄せる
ふわふわの髪の毛が擽ったい
フジ「・・・ふっ、大好きなんだなぁ、Aちゃんのこと」
俺はフジの言葉にこくこくと頷いた
『Aもキヨのこといっぱい好き・・・!』
フジ「はは、よかったなキヨ・・・
ってうわぁ!?」
俺はフジも無理やりこの輪の中に入れ、強く抱きしめる
一瞬びっくりしたような素振りを見せたけど、
こいつはキモイなんて言わなかった
嬉しそうに俺らを抱きしめ返した。
『キヨも、フジもだーいすき!!ぐすっ・・・』
フジ「・・・俺もAちゃんのこと大好きだよ!」
『へへ、いつかフジにハンバーグ作ってあげるね!
キヨとAのハンバーグおいしいんだよ!』
幾分かAの涙が収まり、俺は体を離す
Aの目は腫れていたけど、もう涙はなく
笑顔が見えるだけだった
フジ「今日は・・・2人とも俺んちに泊まっていけ」
キヨ「ああ、俺までいていいのか?」
フジ「バカ、Aちゃんにはお前がいねーとダメだろ」
Aを見ると大きく頷いている
キヨ「・・・ありがとよ!フジ」
こうして俺らは無事今日の夜を越す場所を見つけたのだった
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さんご(プロフ) - すずなきさん» まず読んでいただきありがとうございます。妹さんのお名前にされてたんですね、、またいつでも読みに来てください (8月24日 19時) (レス) id: b4a1483ffc (このIDを非表示/違反報告)
すずなき - 夢小説漁りに来ただけなのに最後で泣いてしまった....しかも、子供の名前、数年前になくなった妹の名前にしてたので、もうぼろぼろ泣いちゃって..今回は素敵な小説、ありがとうございました、また読ませて下さいね🤭 (5月23日 22時) (レス) @page50 id: 3087fe55b6 (このIDを非表示/違反報告)
さんご(プロフ) - 雪音(ユネ)さん» そう言っていただけて本当に嬉しいです😳💕この作品を見つけて、開いて読んでくださりありがとうございました!! (2022年6月12日 13時) (レス) @page32 id: 435cdb899d (このIDを非表示/違反報告)
雪音(ユネ)(プロフ) - 占ツクでこんなに泣かされると思っておらず、自分でも驚いてます(笑)本当に素敵な作品です。ありがとうございます。 (2022年6月11日 13時) (レス) @page50 id: a8cb4580a1 (このIDを非表示/違反報告)
さんご(プロフ) - トマトまとさん» めっちゃちゃんと読んでいただけて本当に嬉しいです〜(;_;)普段あまり書かないタイプの小説なのですが楽しんでいただけたのでしたら幸いです😌❤️御愛読ありがとうございました!! (2022年4月30日 19時) (レス) id: 435cdb899d (このIDを非表示/違反報告)
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