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『……ん、……』
段々と意識が戻り、うっすらと目を開ける
「A……っ!大丈夫か!?」
『……キヨ、くん……?』
焦った声色のキヨくんが私の顔を覗き込んだ
まだ視界はぼやけているけれど、本当に心配してくれているのは何となく伝わった
先程とは打って変わってスッキリした身体を起こす
『ここ、保健室……』
「…フジが運んでくれたんだって
俺がみるくに「Aどこにいるか知ってる?」って聞いたら「フジと保健室にいる」って言うから来てみたら寝てるAとここに座るフジがいて……」
「そこで俺と変わった
1時間くらい傍に居てくれたらしいけど……なんもされてねぇ?」
……てことは、私
ずっとフジくんと2人きりだったってことだ
『うん…特に何も、……大丈夫
今、何時?』
「もう放課後だよ、Aずっと目覚まさなかったから……心配した」
キヨくんは小さく安堵のため息を漏らすと
私を優しく抱きしめた
「俺らの前からいなくなっちゃうかと思った……」
『いなくならないよ、絶対
心配かけちゃってごめんね』
彼のふわふわの髪の毛が私の頬をくすぐる
私の背に回すキヨくんの腕の力が少し強くなって
「……俺さ、Aの事…」
ガ「A平気!?」
キヨくんが何か言いかけると、戸が勢いよく開いて焦燥感に駆られた様子のガッチ先生が私の名を呼んだ
「ガッチさん…………」
『私はお陰様でよくなりました』
ガ「……それよりキヨの方が体調……いや、機嫌悪い?」
なんでもねーよ、とキヨくんは唇を尖らせてそっぽを向いた
ガッチ先生は頭にハテナを浮かべながらも隣に並べられたベッドに腰かける
ガ「午前中の出張から帰ってきたら、保険医さんがAがずっと寝込んでること教えてくれてさ」
ガ「男子生徒が「俺が看る」って聞かないから任せたってのも言ってたし、俺も授業埋まってたから中々来れなくて。やっぱ男子生徒ってキヨだったんだ」
納得するがッチ先生を他所目に、キヨくんは俯き気味に呟いた
キヨ「……俺、そんなこと言ってねぇ
元々ここに先生いなかったし……」
『じゃあ……フジくんが、言ったってこと……?』
またまたハテナを増やすガッチ先生にキヨくんは事細かに全てを説明してくれた
全てを知ったガッチ先生は目を丸くしたあと、思慮深く言葉を放つ
ガ「……よく殺されなかったな」
キヨ「学校だしバレると思ったんじゃねぇの?」
ガ「……そうなのかな」
するとその時
「はぁ、ガッチさん走るの速すぎ……っ」
保健室の扉からあの2人が入ってきた
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さんご(プロフ) - いちご丸さん» ありがとうございます、、!Xの方に🗻視点のお話もあるのでよければぜひ! (1月12日 0時) (レス) id: 4c714dcc22 (このIDを非表示/違反報告)
いちご丸 - 凄い作品に出会えて感激です..!とんでもない文才ですね!凄く楽しく読むことができました。これからも頑張ってください( *´꒳`*) (1月5日 19時) (レス) id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
さんご(プロフ) - なみのさん» 長編にもかかわらず最後まで読んでくださりありがとうございます☺︎楽しんでいただけたならなによりです! (11月13日 1時) (レス) id: b4a1483ffc (このIDを非表示/違反報告)
じゃーんえっちふん - みるくちゃあああああああん (10月15日 21時) (レス) @page49 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
なみの - とっても面白かったです!あまりにも作り込まれていて、感動しました・・・大好きです!! (10月15日 21時) (レス) @page49 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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