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長尾「晴っ…んなこと言うの、やめてくれよっ…」
弦月「晴くん…ねえ、僕たちが晴くんと一緒にいて楽しくないわけないでしょ…?」
長尾と弦月が涙目でそう訴える。
ハヤト「…でも、お二人が甲斐田さんにそう思わせた事に変わりはないですよね。」
長尾「っ…」
甲斐田「…ねえ、長尾、弦月。別に2人は悪くないんだから、そんな顔しないでよ。」
もうすでに2人の顔は涙でぐちゃぐちゃになってしまっていた。
あぁ、綺麗な顔が台無しだなぁ。でも涙ですら綺麗に見える。
もし何かに例えるとすれば、きっと朝日に照らされたダイヤモンドだろうな。
甲斐田「ねぇ、そろそろ泣き止んで?僕は2人と一緒にいて楽しくなかったことなんてなかったからさ。」
弦月「…うん。」
長尾「じゃあさ、結局なんで天使が晴んとこに来たんだ?」
甲斐田「それは僕も思った。」
他の人はもっとこの世に絶望してた人だったのに。そう弦月が言うとハヤトに3人の視線が降り注いだ。
ハヤト「皆さんは、私たちの現れる条件を知っていますか?」
弦月「人生に絶望したとき、じゃないんですか?」
ハヤト「うーん、そうですねぇ、少し違いますが、そういうことでいいですよ。」
3人の頭の中には?がうかんでいるようだった。
ハヤト「ほら、知らぬが仏という言葉もあるらしいじゃないですか。」
甲斐田「それはそうだけどさ、僕自身に関係あるんです。僕くらいは、聞いてもいいんじゃないですか?」
ハヤト「…甲斐田さん。知らないほうが、甲斐田さんのためですよ。」
びっくりするくらいの笑顔でそう言ったハヤトは、少し悲しげだった。
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作者名:神谷瑞樹 | 作成日時:2023年5月4日 11時