鱗のつばさ (ページ9)

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「めっちゃいい子……ただの女の子……」

「それを確認しようと？」

「そうだよ。女の子がそのままの性別で入学なんて聞いたことがなかったから気になったんだ」

もしかしたら魔法が使えるかもしれない。もしかしたら男の子かもしれない。

もしかしたら僕と同じかもしれない。

でもそんなことはなかった。

彼女はただの女の子だ。

みんなから優しくされる物語の主人公みたいな女の子。

「……つまんなぁい」

「貴方が望むような子ではなかったんですよ、気にしなくても大丈夫です」

「しかもあれ見たぁ？可愛い子だね、恋する乙女じゃん」

まあ、接触はやめないけれど。

あの目はめんどくさい目だ。

これからが楽しみだ。生憎私も生粋のヴィラン。

根っこは悪いやつなんだ。

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「アズール、いいんですか？止めないで」

「そうだよぉ、小エビちゃん可哀想じゃないのぉ？」

「流石に手を出したら止めますが……まあ、彼女が手を出す前に僕が芽を潰しますので」

そう言っていたことには気づかずに。

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