鱗のつばさ (ページ37)

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どろりと肌が溶けるような感覚。

一瞬、呼吸が止まってひゅうと深呼吸をすると背が縮んだ女性の体になっていた。

淡い紫の髪に深海の青い瞳。

手は小さくて、不格好な羽が生えている。

「まるで元通りですね」

「変身魔法は大きな魔法を連発しない限り解けないから、元に戻ったわけじゃないけどね」

同じくらいの背だったアズールが大きく見える。

ハンドジェスチャーをされて、指示通りに後ろを向く。

するとするりと首に手が伸ばされて、綺麗なコバルトブルーのネックレスがかけられた。

細いチェーンはキラキラと光に反射して偏光し、所々枝分かれして海のモチーフのシルバーが飾られている。

中央には二枚貝の形の飾りがついていて、その中にはおおぶりの真珠が一粒乗っていた。

チョーカーに近いそのネックレスは僕の……いや、私の好みのデザインのものだ。

「アズール、これ作ったの！？すごいね！？」

「ふふ、僕は錬金術が得意なんですよ」

「さすがぁ、やっぱり秀才は違うなあ」

はっとひらめいて、アズールの手を引く。

本棚の隠しスイッチを押すと壁にかかっていたカーテンがゆっくりと開いた。

そこにはきらきらと光る水槽が広がっている。

近くの立て掛けハシゴを水槽のへりにかけると、そのハシゴに足をかけた。

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