鱗のつばさ (ページ36)

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ハーブティーのひとつやふたつ淹れてさしあげないと失礼にあたるだろうか。

ペンを何度か振って魔法でお茶を淹れる。

サイドテーブルに二人分のカップと小さなクッキーを並べた。

「で、アズールくん」

「……なんですか」

「はい、これ僕からのプレゼントです」

先程の錬金術で作ったネックレス。

投げるように渡すと、じっとそれを見つめたあとおもむろに首からそのネックレスをさげた。

飾りの部分にとんとんとペンを当てると、ぼんやりと淡く光る。

「これは？」

「あはは、ただのお守りだよ。

もしユニーク魔法を使わないと倒せない敵が出たときにアズールじゃ対抗手段がないでしょ？」

僕のユニーク魔法。

苦い思い出しかないけれど、攻撃面に特化した一撃必殺の魔法。

隠すような魔法でもないけれど、別に歌手としてやっていく上で使うような魔法でもない。

だから自然に言うタイミングを逃してしまっただけ。

「それ、飲んでみたらいかがです？」

「？くすり？」

「効果のお試しをしてはどうでしょう」

「確かにそうだね」

ぽん、とコルクの蓋を外して一気に流し込む。

うんやっぱり不味い。

地獄を煮詰めたみたいな味がする。

どろりと肌が溶けるような感覚。

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