鱗のつばさ (ページ18)

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sideアズール
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歌手が復帰してからというもの、モストロ・ラウンジの経営はさらに上昇しはじめた。

具体的な数字に表すなら、大体売り上げが平均の1.3倍程度に増えた。

最初はそんなに急に仕事をはじめて大丈夫かと心配されていたが、彼は予想以上に強かだった。

「いや、だってアズールたちに任せっきりだったから。僕ずっと部屋で勉強してたし」

そう言って今日も彼は笑顔で客の前に立ち続けている。

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ぽん、と肩が叩かれた。

振り返るとすっかり砂が落ちきった砂時計を揺らしながら笑う支配人のアズールが立っている。

「時間ですよ、ついでに休憩も取ってきてはいかがですか？」

「おっ、そうかそうか。じゃあお客さん、もしまだ気になることがあればまた来てね。」

お悩み相談ということがわかるように机の端に立てられた小さな旗の置物と砂時計を服のポケットに入れると席を立つ。

「アズールは？」

「僕も今から休憩です。なにか賄いをもらいに行きましょうか」

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