気づいたら死亡率95%の漫画の世界だった【名探偵コナン】

＊或る夏の日 ページ17

「はあーーーねっむ！！！！！」
「涼お姉さん、お水のむ？ 冷たいから目が覚めるよ！」
「歩美ちゃんの優しさが染み入るわ〜〜〜」


癒されるねぇ、眠いことには変わりないけど！！！


今私達はとある公園へと足を運んでいる。結構な早朝で薄く霧がかっているのだが、夏なので暑いし、夜更かししたこともあって眠い。私は若いし、演劇のためにそれなりに身体は作っているはずだ。なのに体力がもたないのは何故だろう、と博士を見遣る。あの人、なんで私よりピンピンしてんだ？？ 私の方がスラッとした素敵体型なのに、あんな……あんなナイスバディ(失礼)な博士の方が元気なんだろうか。


眠さと戦いながら歩くこと数分、話はなぜだかビートルズへと移り変わっていた。


「なんでビートルズ？？」
「三浦さん話聞いてなかったの？ 大丈夫？ 眠すぎて迷子になったら困るよ、俺と灰原で手引いてあげるからまだ頑張って」
「ありがとう」


両手を二人にとられ、しょぼしょぼする目をかっぴらいて歩いた。待ってくれよ、哀ちゃんの歳はよくわかんないけどコナンくんだったらコナンと新一どっちにしても私より歳下だよね？ そんな子に引率してもらう私って……？ そんなのカッコよくない！！


「三浦さん」
「はい」
「歳下どうこうは俺も灰原も気にしないから手離そうとすんのやめて？ いなくなられる方が困る」
「同感ね」
「はい」


そんなこんなでこの日はお開きになったわけであるが、私の聞き逃したビートルズの話こそ、のちに起きる大事件からとある人物を救い出すきっかけであり、また開幕を知らせるブザーだったのである。


︙

「三浦くん、ちょっと買い物付き合ってくれない？」
「いいけど、いつ？」
「今日」
「うわ急だね。まあいいけどね！」
「ありがとう〜〜！ 実はさ、この前友達に「お前その服小学生の頃も着てなかった？」とか言われたからさ、センスある三浦くんに選んでもらおうかと」
「うーん、確かに杉原くん、いつもパーカーのダサダサくんだからね……」
「おいこら」
「よし！ センスあってカッコイイ私が杉原くんをプロデュースしてあげる！」
「頼もしい〜」
「どこ行きたいとか希望ある？」
「三浦くんに任せる」
「うーん、じゃあ、ちょっと久しぶりに行きたいデパートあるから、そこでもいい？ めっちゃ広いからメンズ服も充実してるよ」


まさか、このデパートで一悶着起きるなどこの時の私には知る由もなかったのである。

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