検索窓
今日:1 hit、昨日:26 hit、合計:278,641 hit

6話「ごめんの2乗」 ページ6

騒ぎすぎたらしい。「誰? 何してんの?」という声と共に扉が開かれる。咄嗟に堀田のジャージを奪って体に巻きつけて背中に隠した。


「え、金田一? と、堀田さん…? ……え、何その状態…」


花巻さんだ。俺の脳内で「この人に知られてはいけない」と警鐘がなる。つーかこれは俺の胸の内に留めておくべきだ。しかし今の俺達の格好は怪しすぎる。ジャージで簀巻状態の堀田とそれを隠す俺。「何その状態」と聞かれても仕方がない。


「な、何って…まあ…」
「エッ…」


微妙な空気になった。ああ俺耐えられない…! なんか喋ってくれよ元凶!! 助けを求めるつもりで振り返ると、目を逸らされた。ふざけんな!! ここは、何か喋って言い訳を…!


「…わ、」
「わ?」
「脇毛が20センチ台に到達したって聞いて!! 世界記録頑張ればイケるって励ましてました!!」


沈黙。非常にごめんなさい、堀田。
錆びたブリキのような動きで首を堀田に向けた花巻さんは、「堀田さん……それ、マジ……?」と蚊が鳴くような声で問いかけた。


「…………マジです」


こちらも蚊が鳴くような声で答えた。


「そ、そうか…頑張れよ世界記録…」
「……はい」
「じ、じゃあ俺、戻るから…相談とかいつでも聞くから…」
「……はい」


音を立てずに扉を閉めたのは花巻さんなりの優しさなんだろう。今はその優しさが傷に塩を塗り込まれている様に痛い。痛すぎる。
俺は振り返って頭を下げた。


「堀田…ごめん…」
「ううん、ありがとう…そしてさようなら私のイメージ……」
「ごめん…」




「…岩ちゃん」
「なんだよ」
「なんか今日さ、挙動不審な奴多くね?」
「多いな」


マッキー、金田一、千冬ちゃん。あの3人、なんか今日調子悪い…?


「ま、いっか」


そのうちなおるだろう。
そう思っていたが、その日はずっと挙動不審だった。帰りにマッキーがこっそり「お前も堀田さんが相談してきたらちゃんと聞いてやれよ」とやけに思い詰めた表情で諭された。一体なんの話だろうか?
 
 
 

7話「安ピンは×」→←5話「真面目にヤーさんかと思ったわ」



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (353 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
899人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー , 青葉城西 , HQ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

志織(プロフ) - ヒトさん» ホリミヤいいですよね!ハイキューを全面に押し出しつつ、ホリミヤ成分もそこはかとなく入れ込みたいと思います(笑)コメントありがとうございました! (2019年12月4日 21時) (レス) id: de7effe731 (このIDを非表示/違反報告)
ヒト - ホリミヤネタ最高です。 (2019年12月2日 21時) (レス) id: 3761af80f9 (このIDを非表示/違反報告)
志織(プロフ) - 八重さん» コメントありがとうございます!ヒロインなら私も金田一かなと思いますが、国見は何となく自己主張強そうなのでああいう感じです(笑)私はギャグセンスがないのでは?と思っていたので、面白かったと言っていただけて何よりです! (2019年8月7日 16時) (レス) id: f90efcc153 (このIDを非表示/違反報告)
八重(プロフ) - 面白すぎてずっと笑ってたら姉に(・∀・)<ウルセェェェェエエって言われましたどうしてくれるんですか?(謎) (2019年7月27日 13時) (レス) id: 9f24637045 (このIDを非表示/違反報告)
八重(プロフ) - いやぁー私思うんすけど、やっぱりヒロインは国見じゃなくて金田一だと思うんですよぉー(笑) (2019年7月27日 13時) (レス) id: 9f24637045 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:志織 | 作成日時:2018年4月7日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。