5話「真面目にヤーさんかと思ったわ」 ページ5
変身願望ね…確かにありゃ変身だわ…なんて考えていると、か細い声で「すみません」と彼女が呟く。
「感じ悪いですよね。わかってるけど、やっぱり怖くて…一人でいるのは慣れたけど、嫌われるのはやっぱり慣れないっていうか」
「そんなの慣れなくていいんだよ。少なくとも俺達は仲良くしたいと思ってるし、これから少しずつ慣れてくれればいいよ」
「堀田さんは嫌われて当たり前なんかじゃないからな。俺や国見は嫌ってないし、バレー部だってそうだぞ」
だから、これから仲良くしよう。
裏表のない金田一の言葉に、千冬ちゃんは俯いて「ありがとう」と震えた声でお礼を言った。
これでなんとかうまくいくかな、好スタートを切れたなとそっと胸を撫で下ろした。
――彼女が急速に俺達と仲良くなったのは、それからすぐのことである。
︙
「金田一くんちょっと」
部活に来てすぐ、堀田に青い顔で手招きされ倉庫に向かう。どうしたんだろうか。俺もそうだが、国見も随分と怪訝そうな表情を浮かべていた。
倉庫の扉を締め切ると、堀田は「どうしよう金田一くん!!!」と飛びかかってきた。
「え!? なに!?」
「こここの学校プールあんの!? え、強制!? ウチの中学選択だったんだけど!!」
「なんだよそんなことかよ…ていうか珍しいな、選択なんて」
「今論点そこじゃないから! どうしよう私退学になっちゃう!」
「は、はあ!?」
なんでだよ! と叫ぶと、堀田はおもむろにジャージを脱ぎだす。何してんだと思ったが、左腕を見て納得した。こ、この女…!
「そそそそれってタトゥ「わあああーー!!!」…何してんのお前!?」
「かっこいいじゃん!?」
「馬鹿! マジで馬鹿!」
聞けば高校の入学記念にタトゥーを入れたという。確かタトゥー入れるのって年齢制限あったよな…? えっこれってやばいやつ…
「まさかと思うけど、お前の実家ってヤク「違うから」
食い気味に否定された。真顔なところを見ると信用しても良さそうだ。しかし、ピアスといいタトゥーといい…普段の地味な堀田のイメージがガラガラと崩れていく。人は見かけによらないのだと今学んだ。
「他にも入れてるとこあんの…?」
「背中と太腿と脇腹…つーかほぼ左半身」
「マジで馬鹿なのな…。まあなんだ、プールの方なら適当に誤魔化せんだろ。風邪引いて腕が爆発したとか」
「金田一くんそんな症状の風邪聞いたことあんの??」
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志織(プロフ) - ヒトさん» ホリミヤいいですよね!ハイキューを全面に押し出しつつ、ホリミヤ成分もそこはかとなく入れ込みたいと思います(笑)コメントありがとうございました! (2019年12月4日 21時) (レス) id: de7effe731 (このIDを非表示/違反報告)
ヒト - ホリミヤネタ最高です。 (2019年12月2日 21時) (レス) id: 3761af80f9 (このIDを非表示/違反報告)
志織(プロフ) - 八重さん» コメントありがとうございます!ヒロインなら私も金田一かなと思いますが、国見は何となく自己主張強そうなのでああいう感じです(笑)私はギャグセンスがないのでは?と思っていたので、面白かったと言っていただけて何よりです! (2019年8月7日 16時) (レス) id: f90efcc153 (このIDを非表示/違反報告)
八重(プロフ) - 面白すぎてずっと笑ってたら姉に(・∀・)<ウルセェェェェエエって言われましたどうしてくれるんですか?(謎) (2019年7月27日 13時) (レス) id: 9f24637045 (このIDを非表示/違反報告)
八重(プロフ) - いやぁー私思うんすけど、やっぱりヒロインは国見じゃなくて金田一だと思うんですよぉー(笑) (2019年7月27日 13時) (レス) id: 9f24637045 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:志織 | 作成日時:2018年4月7日 10時