戦える５１ ページ2
図書室は広い。ズラリと本が並んで、超能力に関する(また、それらに属する)ものの文献やら歴史やらが揃えられていた。
シノツキ学園とてレポートは出される。それこそ毎度毎度苦労するのが翔陽、影山、木兎さんでそれの面倒を見るのが毎回の恒例となっているから、私達は早めにこれを終わらせるのが暗黙のルールになっていた。
仁花は部屋が落ち着くとのことで、自室でレポート作成に勤しんでいる。黒尾も赤葦さんも器用だから、適当に終わらせるだろう。私は案外ここが気に入っているので、こうして窓際を占領している。
「ここ、いいかな」
突然声をかけられる。目の前の席を陣取ったのは、メガネをかけた綺麗な女性だった。
「どうぞ」
周りはガラガラで、ここ以外に座れる場所なんてたくさんある。ということは、何か私に用があるのだろう。忙しなく動かしていた手を止め、シャーペンを机の上に寝かせた。
それを見た彼女は苦笑する。
「ごめんね、邪魔してしまって」
「いえ、そろそろ休憩にしようと思ってましたから」
そう言って着席を促すと、彼女は椅子に腰掛けた。
暫く指を絡めたり解いたりと落ち着きなくそわそわとしていたのだが、意を決したようにこちらを見据えた。そして言う。
「…仁花ちゃん、は、元気？ 泣いて、ない？」
あの子は寂しがり屋で、少し自分に自信のないところがあるから。
彼女は心配そうに眉尻を下げ、寂しそうに笑った。
「…今は、そんなこと、ないです。強くなりたいって言ってますし、それに、――貴方の話もよく聞いてますよ、清水さん」
彼女――清水潔子さんは目を丸くした。美人で綺麗で優しい、自慢の先輩がいるんだ。仁花はそう言って笑っていた。確かに、綺麗な人だ。後輩を気にかけている、心優しい人だ。
「…そっか。じゃあ、楽しくやってるんだね」
「はい。仁花は私の相棒なんです」
「ふふ、いいねソレ」
清水さんはふわりと笑う。仁花、いい先輩持ってるな。
それから私と清水さんは一緒にレポートを作成した。わからないところは質問したり、どういう本を参考にしたらいいかとか聞きながら交流を深めた。
また次も一緒にやろうと約束をしたので、次回の課題が出るのが少々楽しみだ。
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油揚げ(プロフ) - 設定とかすごく面白くて，ついつい一気に読んでしまいましたwこんな素敵な作品に出会えて良かったです！ (2021年11月9日 5時) (
レス) @page21 id: 19252ecbde (このIDを非表示/違反報告)
志織(プロフ) - レイさん» 返事が遅くなり申し訳ありません！なんと3DSの時から！とても嬉しいです……！気が向いたときにでも読んでくださると嬉しいです(*^▽^*)コメントありがとうございます！ (2020年4月2日 11時) (レス) id: de7effe731 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 更新ありがとうございます！自分がスマホ持ってなくて3DSの時から読んでいてお気に入りだったので嬉しいです！無理をしない程度更新頑張ってください！ (2020年3月26日 22時) (レス) id: 860c0e78fc (このIDを非表示/違反報告)
志織(プロフ) - あぐりさん» コメントありがとうございます！そしてお待たせいたしました！変わっていく兄妹と、その周りについても書いていきたい所存でございます！お楽しみ頂けて幸いです……！ありがとうございます！ (2020年3月10日 20時) (レス) id: de7effe731 (このIDを非表示/違反報告)
あぐり(プロフ) - 更新ありがとうございます！ ずっと待っていたので更新されて嬉しいです！ここからの夢主と及川さんの兄妹としてどんな風に関わっていくのか楽しみです！更新頑張ってください！ (2020年3月10日 15時) (レス) id: e34e873475 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：志織
| 作成日時：2017年1月22日 16時
