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さっきまで俺だけに向けられていたはずの瞳に、今は俺じゃない人が映っている。
ふたりは、俺がここに居ないかのように話し始める。
学校生活のこと、部活のこと、LINEのやり取りのこと…
俺が知らないことばかりで、胸が苦しくなる。
…考えてみれば、俺はころちゃんに負けてばっかりだ。
彼へのアプローチの仕方も。
身長だってそう、俺がころちゃんを見上げる形になる。
……ころちゃんが、俺を見下してる。
今、彼はこんなに近くにいるのに、どうして。
なんで。なんでよ。
「おいころん〜。」
「えっ、はいっ!へ、さとみ先輩!?」
「「さとみくん!?」」
俺と彼の声が被った。
ハモっちゃったね、と彼は眉を下げて微笑む。
その仕草に、きゅんっとした。
「てか、さとみくんところちゃん知り合いなの?」
「おう、前廊下で喋ったら意気投合してさ」
知らなかった…。
「ころんさ、この前貸した漫画俺に返したっけ?」
「あー!!!すいませんっ、忘れてましたぁあ!!」
「…罰として今から俺とランニングな」
「えええええ!?っちょっとぉ!?」
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作者名:甘党。 | 作成日時:2023年5月15日 10時