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プロローグ ページ1
「痛ったぁ…」
体育の授業中、派手に転んでしまった。
膝が擦りむけて、血が出てきている。
…まぁ、そんな俺を助けてくれるひとなんて居ないけど。
体育館に響く、靴と床が擦れる音が大きくなった。
それはまるで…、俺の孤独をより目立たせてるみたいで。
久しぶりに、目頭が熱くなった。
「…大丈夫ですか?」
そんなとき、俺にはじめて話しかけてくれた子。
それが、君だった。
「あっ、血出てる。保健室行かないとですね」
さらさらと揺れる金髪、長いまつ毛、細い指…
綺麗な瞳に、吸い込まれそうになった。
どうしてこんなに、優しくしてくれるんだろう…。
ギュッ
「……っ!」
「ひとりじゃ心細かったですよね…。今は、僕に頼ってください」
そして、俺のいちばん欲しかった言葉をくれた。
手は繋がれたまま。
心臓がざわめいて五月蝿い。
ああ、もうどうしようもなく…
君のことがすきだ……。
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作者名:甘党。 | 作成日時:2023年5月15日 10時