2人だけの世界/The Shape ページ1
どうして＿＿＿
Aは目の前でぐちゃぐちゃと破壊されていく戦友とも呼べる仲間、ローリーをただ茫然と眺めていた。
怪我をし片足を引き摺る彼女を庇うべく，今回の儀式の殺人鬼シェイプからの一撃を背中に受けた。
他の仲間は少し前に殺人鬼に気圧されてやむを得ずゲートから出て行ってしまった。
Aがローリーへの攻撃を庇った瞬間から，シェイプの様子が明らかにおかしくなった。
ローリーを這いつくばらせその上にまたがる。
シェイプがローリーの兄で，彼女だけに執着しているのは周知の通りだった。
助けようと思ってAがローリーに駆け寄った時にはもうすべてが遅かった。
ローリーがAに「逃げて」と声を発する前に，シェイプはそのキッチンナイフでローリーの喉を刺し貫いた。
大量に血が吹き上がり目を見開いて痙攣するローリーを続けて何度も刺す。
喉元や胸部，顔までがナイフで切り裂かれ，肉や脳髄までもが露呈した頃。
大量の血に濡れたシェイプは屍の上から退き，そのままAの方へ歩みを進める。
「こ、来ないで…！」
今までに見たことない惨劇に足が竦みまともに走れない。
邪神から許された殺害＜メメント・モリ＞なら見たことあるし，やられたこともある。
だが，あれ程激しい殺意を感じるものではなかった。
彼らの殺意はいつだって目の前の犠牲者ではなく，どこか遠くへ向けられているのだ。
シェイプがAの前でしゃがみ込む。
恐怖に気が触れたのか，ローリーの死に諦めたのか，Aはただ目を瞑って来たる死に構えるだけだった。
ゴトッ、と地面にナイフを置く音がし，次の瞬間にはぬめりとした生暖かいものが頬に触れた。
驚いて目を開けば眼前にシェイプの白い顔。
Aは彼に優しく頬を撫でられていた。
頬から頭，後頭部に手が回った時，マスク越しにシェイプが唇をAのそこに押し付けてきた。
「……やっと」
滅多に喋らない男は久しぶりに出す為か，掠れた愛おしそうな声で呟いた。
マスクに付着したローリーの血の味が口の中に広がってきた。
その死の味と白い男とキスの意味に混乱しながら動けずにいた。
足も頼りなく，Aを覆うようにシェイプに近づかれていた為に逃げられもしない。
おもむろにシェイプはマスクを外す。
シェイプがマイケル・マイヤーズになった時。
「やっと、2人きり」
彼はそう呟き，今度は深く奥までAを貪った。
『だってあなたが他所で笑うから』
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つぅさん(プロフ) - 柏木信子さん» 柏木さん、コメントありがとうございます！ドクターですね、いいものが浮かびましたので近いうちに上げておきます：） (2019年6月22日 23時) (
レス) id: 24afe1b8e2 (このIDを非表示/違反報告)
柏木信子(プロフ) - いきなりですみません！ドクターが一番好きなのでドクターお願いできますか？ (2019年6月22日 16時) (レス) id: 76444309d4 (このIDを非表示/違反報告)
つぅさん(プロフ) - nadesiko-nadekoさん» nadesikoさんコメントありがとうございます！どストライクだったようでとても嬉しいです。たまには両想い的悲哀もいいですよね…X3これからもよろしくお願いします。 (2018年12月24日 17時) (レス) id: 24afe1b8e2 (このIDを非表示/違反報告)
つぅさん(プロフ) - わかなさん» わかなさんありがとうございます！我ながら「これだァ！」となった一話になっております＾＾感動していただけて幸いです：） (2018年12月24日 17時) (レス) id: 24afe1b8e2 (このIDを非表示/違反報告)
nadesiko-nadeko(プロフ) - 新作がドストライク……せやな……主人公ちゃんの仲間からしたらこうなるか…素敵です、何度も読み直してしまいました…！！ (2018年12月22日 8時) (レス) id: fac8b3c77a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つぅさん | 作成日時：2018年5月17日 1時
