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「それで?それがどうかした?」

先輩は不思議そうに私を見つめた。
私はゆっくりと話し始める。

「……私と先輩がこうして毎日中庭でお弁当を一緒に食べてるの、先輩のことが好きな子達に見られていたみたいで。今朝、急に廊下に呼び出されたかと思えば「付き合ってもいないのに彼女面するな」とかなんとか……。本当に色恋沙汰って面倒。女の子って面倒。」

そもそも彼女面なんてしてないのになぁ、なんて零すと、先輩はなんとも複雑そうな顔をしていた。

「な、どうしたんです?」

「いや、こう……色々な気持ちがまとまらなくってね。」

は、はぁ、色々なキモチ?

「というと、どんな?」

先輩はいつの間にか食べ終えていたからのお弁当を差し出してきて、ご馳走様、と微笑んでくれた。そしてそのままその長い指を一本一本折り曲げていく。

「一つ、私が思っていたより私がモテていたという喜び」

「すみませんその話聞かなくてもいいですか?なんか腹立つので」

太宰先輩は私の言葉なんて無視して続ける。

「二つ、私のせいで君に迷惑をかけたことへの罪悪感

三つ、とっっっても鈍感な君への苛立ち」

「は、はぁ?」

思わず聞き返したが、それでも先輩は無視して続ける。

「四つ、Aを少しでも傷つけた奴らへの怒り

五つ、君を私だけの物にしたいという独占的な気持ち。」

……えっと、それは。つまり?
情報量が多くて頭が上手く回らない。

「結局何が言いたいんですか」

「付き合ってもいないのに彼女面するなと言われたんだろう?」

「は、はい」

「じゃあ私と付き合おう?」

も、もしかして。まさかとは思うが、さっき言ってた私が鈍感だとか独占欲とかって……
気づけば、太宰先輩の整ったお顔がどんどん近づいてくる。


「……好きだよ、A。ずっと前から。もっと早く気づいてくれても良かったのにな。」

「へ、や、あの……ンッ?!」


その日、あのミステリアス王子と彼女らしき生徒が中庭でキスをしていた、という噂が学園中に広まった。

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設定タグ:文スト , 太宰治 , ギャグ   
作品ジャンル:恋愛
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くすみぴんく(プロフ) - アオイさん» コメントありがとうございます!!誤字は修正しておきます!!学パロもまたやりますね!! (2020年8月15日 19時) (レス) id: 9ac576d24a (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - すみません、書き忘れです!学パロ面白いので、またやってください! (2020年8月4日 0時) (レス) id: 64807526c9 (このIDを非表示/違反報告)
アオイ - 突然失礼します!楽しく読んでいます!あの・・・3話くらいのところで、敦君、賢治君の字が間違ってます!それだけです。失礼しました! (2020年8月4日 0時) (レス) id: 64807526c9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にゃい。 | 作成日時:2020年7月10日 7時

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