"探偵社員でも恋をする__。"【文スト】※ゆるゆるラブコメディ夢小説。

． ページ14

。太宰side




可愛い？可愛いって言われた？？



はっきり言おう。



やばい。





顔の熱が全く冷めない。
もう氷を頭から被りたい気分だ。





そりゃ、好きな人にはかっこいいって言われたいものだけれど…
可愛い、というのはなかなかに照れる。来る物がある。



そんなこと知ったこっちゃないと言うように雨粒を乗せて風が吹く。コートがまた、少し濡れた。



先に口を開いたのは



｢えっと…それで、明日は何処へ行きたい？｣


まさかの私だった。


さっきから自分がしている行動に驚いている。そりゃ、女慣れのようなものはしているけど、

でも、彼女は別じゃないか！

緊張して何もできないかと思えば、自然とセリフは口から出てくる。

どれだけ君を落としたいのか…。


私自身、少し呆れそうになった。

だが、そんなに気分は悪くない。



｢う〜ん、そうだな…｣



君は顎に手を当てて小さく唸りながら悩み始めた。



何この子かわいい好き



…我ながら語彙力の崩壊が凄まじい…。




｢せっかく横浜開校記念日なわけだし、無料に入れるようになる美術館や資料館なんて行ってみるかい？行く機会がなかなか無いだろう？｣


｢あー！たしかに！それ良い！！美術館なんて久しぶりだ〜！｣


｢ふふ…決定だね｣

｢うん！楽しみ！｣



はぁ。可愛い。


君がそんな風にはしゃいでいる姿は初めて見たし、この場に私しかいないというのは本当に嬉しい限りだ。


そして…明日。


この数分間で決まった内容は私にとってとてもとても大事だ。


つまり明日できること、それは


“デート”





…とんでもないことになってしまったかもしれない…。


と不安のようなものを感じつつ、ワクワクしている自分もいる。

これが本当の恋の楽しさ、なのかもしれないね…。



｢あ、敦くん！｣



どうやら、目的地らしい


｢あー！Aさん！太宰さーん！！｣


｢遅れてごめんねっ！大丈夫？｣

｢ふふ、今回は災難だったようだね｣


｢うぅ〜…傘盗まれるってなんだか悔しいですね…。｣

Aは社の置き傘を渡した。


｢ありがとうございます〜！｣


｢じゃあ、帰ろうか。｣


｢はい！／うん！｣




探偵社に着く頃には、雨はほとんど降っていなかった。


雲の隙間から、虹のようなものが見えた。



。

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