此方向いて ５ ページ6
ずぶ濡れのAの華奢な身体は死人のようにすっかり冷えきっていた
安堵したのか、疲労か、眠り始めたAの寝顔を眺めながら、太宰は歯を食いしばった
「馬鹿…」
ここまでして助けるなんて、本当に馬鹿な君
そして…、君をここまで心配させて、苦しい思いをさせるなんて、本当に馬鹿な私
(君が私を好きなんて、痛い程に分かってるんだ)
(でも、どうやったって私は、君の想いには応えられない)
「ごめんね、A…」
ー私の事なんて、いっそ嫌いになってくれ
探偵社に戻るなり、国木田に物凄い形相で怒鳴りつけれた
「この、太宰ッ、貴様…！！貴様のせいでAを危険な目に遭わせるな！」
胸倉を思いっきり掴まれたところを、敦がフォローし、なんとか事態は収まった
Aはすぐ与謝野に診てもらい、医務室で何事もなく眠っているようだ
太宰は服も着替えずに、ずっとAの眠る寝台の横に座っていた
目覚めると、辺りは真っ暗だった
何度か瞬きをして、意識が覚醒すると共に、温かな布団が掛けられている事に気づく
「…あったかい」
布団の温もりに浸っていると、
「ー…A？」
不意に右上から声が降ってきた
声を辿ると、月明かりに照らされた、疲れ切った様子の太宰が、Aを見つめていた
「太宰さん…？太宰さん」
バッと起き上がると、頭に痛みが走った
「うっ…」頭を押さえると、太宰が背中に軽く手を添えた
「…病み上がりなんだから、大人しくしたまえ」
何時もより優しい口調に、Aは驚きつつも、内心喜びつつ布団に潜り込んだ
「…太宰さんは、大丈夫ですか？」
心配で問うと、太宰は目を伏せた
「嗚呼、平気さ
今日は川を流れていただけ、入水のつもりじゃ無かった
…でも、君に勘違いさせて、結果、君を危険な目に遭わせた」
「いえ、そんな事…！」
「何故そう言える、今だって、そんなに震えてるのに」
太宰の指摘に、Aは気づいた
自分の手を見てみると、手は微かにふるふると震えていた
「あ…、…っ」
思わずぎゅっと手を握ると、太宰は身体と鳶色の真剣味を帯びた瞳をAに真っ直ぐに向けた
「この際だからハッキリ言うよー…
君は恋愛対象外だ」
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ＡＳ(プロフ) - ただのニジオタさん» コメントありがとうございます！明日には公開出来ると思うので、お楽しみにしていて下さい！これからも全力で頑張っていきます！いつも温かな応援、嬉しいです(´ヮ｀*) (2017年9月23日 23時) (
レス) id: f709ff2152 (このIDを非表示/違反報告)
ただのニジオタ - 更新頑張ってください！！！！ほんとに応援しています！ (2017年9月23日 16時) (レス) id: 5943eb19db (このIDを非表示/違反報告)
ＡＳ(プロフ) - 姫蛍さん» 私も書きながら悶えてしまいました…←双黒にあんなに想われてドキドキさせられて…もう夢主になりたいです（笑）コメントありがとうございます(＊´ｖ｀)これからも頑張ります！ (2017年9月21日 23時) (レス) id: f709ff2152 (このIDを非表示/違反報告)
姫蛍(プロフ) - 一言言います。悶える。 (2017年9月21日 22時) (レス) id: 3003a1c972 (このIDを非表示/違反報告)
ＡＳ(プロフ) - 夜野猫さん» やっと自分の想いを認められた太宰です…、すっかりデレデレになってますね（笑）書いていて、双黒に好かれて羨ましい限りです(´ω｀)ありがとうございます！更新頑張ります！ (2017年9月18日 22時) (レス) id: f709ff2152 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：AＳ | 作成日時：2017年9月3日 17時
