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此方向いて 25 ページ26

午前10時14分ー…Aは全速力で走っていた


「はぁっ、はぁっ…!あぁあ、どうしよう…!」


時計に視線をやり、また前を見て走る


ギリギリまで服や髪型、化粧を確認(鏡と睨めっこ)していたら、いつの間にか10時5分、それから走ってヨコハマ駅を向かっているわけだ


「あー、もう、私の馬鹿!」


息を切らしながら人が集り騒めくヨコハマ駅にやっと辿り着いた


キョロキョロ辺りを見回すと、入口付近に黒い素敵帽子の小さな背丈


「なっ、中原さ」


ゲホゲホと思い切り咳き込みながら呼びかけると、携帯電話から顔を上げた中也の顔は驚きに変わる


「げっ…!手前大丈夫か!?」


そっと、そっと、マフィアとは思えない程の優しい手つきで背中を摩られる


その鼓動が動悸を更に早め、身体をより熱くさせる



「あ、ありがとうございます…っ」



サッと背筋を伸ばして息を整えると、中也は「お、おう」と手を離した




「えっと…、その、遅れてすみませんでした」


落ち着いてからぺこり、頭を下げる


すると中也は少し目を丸くしてから、青い瞳をきゅっと細めて笑った


「別にいいぜ、気にしてねェから」


その言葉に安堵し、ホッと息つく


そこで




「…」



目の前から強い目線


見上げれば、真顔の中也


「な、中原さん…?」


不思議に思い、小首を傾げると中也はAの頭に手を伸ばしー…



「…っ」



反射的に目を閉じると、「ん、もういいぜ」と中也の声


目を恐る恐る開けると、くつくつ喉の奥で笑いを漏らす中也と目が合う



「いや、手前頭が走ってきて凄いことになってたから…」


「なっ…!?」



一気に顔が羞恥に火照る


思わず隠すように頭に両手をやると、「もう直したって」と中也の笑い声



何やってるの、私…!



思わず頭どころか顔まで覆う


ギリギリまで確認してきたというのに、これでは本末転倒だ

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 中原中也 , 太宰治   
作品ジャンル:恋愛
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AS(プロフ) - ただのニジオタさん» コメントありがとうございます!明日には公開出来ると思うので、お楽しみにしていて下さい!これからも全力で頑張っていきます!いつも温かな応援、嬉しいです(´ヮ`*) (2017年9月23日 23時) (レス) id: f709ff2152 (このIDを非表示/違反報告)
ただのニジオタ - 更新頑張ってください!!!!ほんとに応援しています! (2017年9月23日 16時) (レス) id: 5943eb19db (このIDを非表示/違反報告)
AS(プロフ) - 姫蛍さん» 私も書きながら悶えてしまいました…←双黒にあんなに想われてドキドキさせられて…もう夢主になりたいです(笑)コメントありがとうございます(*´v`)これからも頑張ります! (2017年9月21日 23時) (レス) id: f709ff2152 (このIDを非表示/違反報告)
姫蛍(プロフ) - 一言言います。悶える。 (2017年9月21日 22時) (レス) id: 3003a1c972 (このIDを非表示/違反報告)
AS(プロフ) - 夜野猫さん» やっと自分の想いを認められた太宰です…、すっかりデレデレになってますね(笑)書いていて、双黒に好かれて羨ましい限りです(´ω`)ありがとうございます!更新頑張ります! (2017年9月18日 22時) (レス) id: f709ff2152 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:AS | 作成日時:2017年9月3日 17時

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