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伝え愛 2 ページ2

「困ったねぇ」


首領ー……森鴎外がため息を1つついて、頬杖をついた


「どうしたんですか」


ポートマフィアに入り、訓練を受け、漸く本日、初めての任務を大成功させた少年、中原中也が問う


すると、首領は待ってましたと言わんばかりに「聞いてくれるかい〜?」と眉を下げる


「実はねぇ、1年ほど前にポートマフィアに連れてきた女の子がいるんだ」


「しかしまぁ……、厄介な異能力と、本人が心を開いてくれなくてねぇ」


「君と同じくらいの女の子なんだ、中原中也くん、様子を見てきてくれないかい」


「早くエリスちゃんに会わせてあげたいのだよ〜!」なんて言う首領に、呆れつつも返事をして、中也は少女の部屋へと向かった


少女の部屋は、ビルの最上階だった


こんこんこん、


ノックを3回し、声をかける


「中原中也ってもンだ、入るぞ」


そう言うが、部屋の中からうんともすんとも返事がない


暫く待っていた中也だったが、痺れるを切らし、思い切りドアを開けた


「なんだよ!返事くらいしやがれ!」


声を荒らげても、矢張り返事はなく


いよいよ頭に血が登り、中也はズカズカと部屋に入り込んだ


部屋の一番奥に大きな寝台を見つけ、中也は近寄って、覗き込んだ


中也は、息を飲んだ


その寝台には、1人の小さな少女が固く目を閉じて眠っていたー……否、死んでいるようにも見える


それ程、生きているのか心配になるほど、少女から゛生゛というものが感じられないのだ


陽の光にあてられ、眠るその姿は、宛ら、昔母に読んでもらった絵本の中の、眠姫の様だった


そっとその少女に近づいて、耳元で声をかける


「……おーい」


しかし、少女はぴくりとも動かない


「……」


中也はふと、頬をつついてみた


ふにふにしていて、柔らかかった


指先から伝わる、その頬の感触と、温かな温度が、少女が゛生きている゛ということを知らせてくれる


「なんだ、生きてんじゃねぇか」


中也はなんだか嬉しくなって、笑ってしまう


「目、覚ませよ」


中也は、既にその時、少なからず、少女に惹かれ始めていた


「じゃーな、また来てやるよ」


中也はそんな淡い胸の内の想いに気付かず、部屋を出ていった





ぴくり、





少女の鼻が、微かに動いた

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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 中原中也   
作品ジャンル:恋愛
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黒糖。 - 夢主ちゃんの設定と容姿がめっちゃ好きです....!すごくいい話で楽しませてもらいました!応援してます! (2021年7月14日 17時) (レス) id: e962db8aef (このIDを非表示/違反報告)
AS(プロフ) - 和さん» ありがとうございます!嬉しいお言葉を頂き、大変光栄です……!楽しみにしていて下さい! (2017年4月23日 23時) (レス) id: f709ff2152 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 第1章完結おめでとうございます!第2章も楽しみにさせてもらってます!! (2017年4月23日 21時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)
AS(プロフ) - 和さん» コメント有難うございます!嬉しいです……!これからも頑張ります(*´∀`*) (2017年4月23日 0時) (レス) id: f709ff2152 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 面白いです!!更新楽しみにしてます! (2017年4月22日 22時) (レス) id: 70dae8966d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:AS | 作成日時:2017年4月8日 23時

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