私と一緒にいてくれた恩人【太宰治】

第207話 真実の時間 ページ13

殺せんせーの見た目になる日のお話

ふ







死神の思惑通りに実験は進んだ。



そして触手を死神は手に入れた。







そこで実験班が気づく。来年の3月13日に、破壊された月と同じことが死神に起る、と。







そして柳沢は叫ぶ。死神を処分する、と。







あぐりはその事を急いで死神に伝えた。死神は手に入れた触手の力を解き放った。





実験施設の人間に包囲された死神。銃の乱射を受けるが、ダメージを全く受けていなかった。







暴走しかける死神。






走るあぐり。






やっとたどり着いた死神に抱きつく。







そしてピッ、という音とともに壁から出てくる触手のようなもの。






それは確かにあぐりのお腹をぶち抜いていた。









そして倒れる。致命傷だった。死神でも治せないような。








ごほ、とあぐりが咳き込んだ。







「もし…残された1年間、あなたの時間をくれるなら…


あの子達を教えてあげて。あなたと同じようにあの子達も闇の中をさ迷っている。




真っ直ぐに見てあげれば…きっと答えは見つかるから」







「君がそういうのなら」








「……なんて…素敵な触手…！




…この手なら…きとあなたは…素敵な、教師に」




あぐりの体なぐたっと倒れる。その懐には、前にくれたネクタイがあった。







…それからマッハ20の新米教師は






…ゆっくりと、ゆっくりと立ち上がった









そして現在、E組は恐ろしい難題を突き付けられたと初めて気がついた。







この先生を…殺さなくちゃならないのか、と。

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