【旧バージョン】僕のクレイジーDAYS・２ (ページ9)

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コノハヅキさんの絵の秘密３ページ9

「酔っ払っていた上に、普段から自信過剰な男だったから、なんの警戒もせずにこいつがスラスラと紙に筆を走らせるのを見ていたんだろう。
だが、その自分の似顔絵がだんだん、眉間から血が流れ、死相が出ているものになっていくと気づいた時にはヒヤリとした筈だ。」

み、眉間から血？
死相？

は？

「……そうだね、『おい、なんだよ、その絵は？！』って言っていたね。」

僕も、その人と同じ事を思ってます。

「それから、お前は愛想良く笑ってその絵を差し出したんだろう。」
「よく分かるね、リーオック。」
コノハヅキさんは目を瞬かせた。
「長い付き合いだからな。その後のお前のセリフも、俺には分かるぜ。
『何って、あなたの絵ですよ。一秒後の、ね。』こんな感じだろ？それから筆をその男の眉間に「やめてくださいやめてください！！！もうストーーーーップ！！！」

うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ！！！
怪談話っぽく言ってるけど、これって実話なんでしょ？！
聞きたくなかった！！
僕は頭を抱えた。

一般人の僕に何を聞かせてるんだよーーーーっ！！！！

「なんだ？お前さんが訳を知りたそうにしているから教えてやったのに。」
「そんなにはっきり教えてくれなくても良いじゃないですか？！」
確かにリーオックさんが絵に怒った訳は分かったけど、冗談じゃないよ。やっぱりコノハヅキさんはめちゃ怖い人だって事じゃん！！
「優しそうな人で良かった」って思っていた、今朝の何も知らない僕に戻りたい。

一方で、「驚いたね、リーオック。最初のセリフ以外は、まるでその場に居たかのような説明だ。それとも居たの？君は僕のストーカーかい？」と、コノハヅキさんは賞賛とも皮肉ともつかない事を言う。
案の定、リーオックさんは目に見えて不機嫌になった。
「誰がストーカーだ。事件のあらましなんぞ、現場や死体を見れば５分で分かる。それに俺は、お前ほど趣味は悪くないからな！」
「へぇ、言ってくれるね。僕の趣味が悪い？どこがだろうねぇ、リーハ君。」
コノハヅキさんはいきなり僕に話を振ってきた。

でも言えないよね。
「人の似顔絵に血とか、死相とかを描くところじゃないかと思います。」なんてさ！！
僕が口をつぐんでいると、リーオックさんは「女装するところがだ！」と言った。
それから取ってつけたように「あと、死の宣告を絵でするところだ！」と言った。

いや、女装はOKだよ！！
……って言うか、大事な言葉が後に来るのはどうしてなんだよ、もう！！