マリーちゃん ページ14
「ふざけるな。せめて死神と言え！……そもそもこの人形はコノハヅキ、お前が作ったやつだろ。お前が責任を取れ！」
は？！
僕は一瞬、頭の痛みを忘れ、コノハヅキさんと足元の人形の首を交互に見た。
この人形……コノハヅキさんが作ったんかーーーい！！！
コノハヅキさんはリーオックさんを警戒しながらも、かがんで人形の首を拾い上げた。
「じゃあ君は、これを壊した責任を取ってくれるのかい？これは筆や絵の具と同じように、僕の大事な道具だって知っている癖に。」
「道具……」
ああ、殺しの方ですよね、やっぱり！
「からくり人形だ。趣味が悪いよな。」
リーオックさんが言うのもどうかと思うけど……同感です。
「これは、三日前に完成した自信作だったんだ。僕に対する殺気に反応し、その後、状況に応じた方法とタイミングで、殺気を発した本体に襲いかかるように作ったんだ。」
え……じゃあ……僕が襲われたのは、コノハヅキさんの事を怒っていたから……か！
そう言えば、一発殴りたいって思ってた時だった……。
いや、待ってよ。
思う事すら許されないの？！
僕のプライバシーはどこに行ったんだよ！
僕が二の句が告げないでいると、コノハヅキさんは人形の首を見ながらため息をついた。
「仕掛けの素晴らしさは言わずもがなだけど、最初はもっと見た目も良かったんだよ。だけど今朝、リーオックが乱暴に扱ったから、ホラー人形みたいな外見になっちゃったんだ。」
いや、人を襲う時点でホラー人形でしょうが！！
リーオックさんは舌打ちをした。
「……チッ、あの時に１号室の住人がお前だと気づいていたら、とっくにこいつにはトドメを刺していたんだがな。」
その一言で、人形が僕の部屋に現れた謎は解けた。
そうか、人形はリーオックさんに部屋を叩き出された後、僕の部屋に紛れ込んだのか……。やっぱり、お腹が痛くてふらふらと部屋に入った時だろうな……。
「それより、なんでこいつは首まで飛んだんだ。おかしいだろ。」
リーオックさんと僕の思考回路は似ているらしい。
本当に、首まで飛ぶなんて怖すぎるよ！
下手したらまた夢に出て来そうだよ！
すると、コノハヅキさんはニッコリと笑った。
「そりゃあ、僕がマリー・アントワネットに忠実に作ったからさ。通称マリーちゃんだ。リーオックは無理だろうけど、リーハ君には仲良くしてもらいたいな。」
「な、仲良くって……コノハヅキさん……。」
血の気が引いた。
「すぐに直すからね。よろしく。」
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作者名：木の葉月＆シャーロック | 作者ホームページ：https://twitter.com/Sherlock_Rio
作成日時：2020年11月13日 12時
