月が綺麗ですね【親世代】⑤ (ページ9)

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開心ページ9

『失礼します』

「おお、良くきたA」

個人講義が開かれたのはあの事実を知ってから
1ヶ月ほど経った頃

「して、今日は閉心術の術を君に教える。
これがどのようなものか知っているかな？」

『記憶を見てから、本を読みある程度のことは
目を通したつもりです…』

「流石、DADAのマリア様じゃのお」

『せっ、先生までご存知なのですか！？』

「生徒達のこと大体のことは
知っているつもりなのでな…」

アイスブルーの瞳に見つめられると
背筋が伸びる

「今日から学んでもらう閉心術は
日常から使ってもらうことになる
しかし、使いこなすには実践しかないのじゃ」

『実践、しかない』

「左様。わしは今から君の心に押し入ろうとする、
君は杖を使わずにそれを防ぐのじゃ」

プロテゴ、はダメなんだよね、
実際にヴォルデモートが仕掛けてくるのは遠く離れた所からかもしれないんだし…

「準備は、良いかな」

初めて、校長に杖を向けられ恐怖を感じた。
この世で最も優れた魔法使いに
杖を向けられている恐怖

そっと頷く

「レジリメンス！」

楽しい記憶、辛い記憶
全てがその時の感情で再生されていき

沢山の感情に襲われ、苦しい。
頭がパンクしそうだ。

他人に頭をこじ開けられ弄ばれている
不快感

助けて！

苦しい！

私だけの大切な記憶と感情

必死に押し返そうとするも
全くなす術がなかった。