月が綺麗ですね【親世代】⑤ (ページ8)

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血族　シリウスside ページ8

『ねぇ、シリウス。
ヴォルデモートのこと何か知ってる？』

牛乳を飲んでいる時でなくてよかった。
突拍子もなくこいつは何を聞くんだ

「お前、朝っぱらから何つー話を」

『それで、何か知ってる？』

俺はこの目に弱い。
真っ直ぐ見てくるこの瞳にめっぽう弱い。

「そこまで、深くは知らねーけど、
親戚が話してるのとかは聞いたことがある」

…一応レギュラスの部屋に
忍び込んだことは言わないでおこう。
Aには怒られそうだ

「アイツがお前を狙ってるってことと、
陣営を広げたがっていること、スリザリン出身、
マグル出身者を殺してる、それくらいしか知らねぇ」

『そうよね、ありがとう…』

「急に何でそんなこと聞いたんだ？」

『それは…』

言い淀むA

「…まぁ言い辛いなら言わなくていい
無理に聞こうとはしねぇけど必要になったら
ちゃんと言えよ」

あぁ、やっぱりこいつも辛いんだ
血族に悩まされる気持ち。

こいつはそれを恨んでいたりする訳じゃない
でも、話したら分かってくれるだろう

『ありがとう、シリウス
でも、本当に知りたかっただけ』

そう言うと少し不安そうに俺の様子を伺う

「そうかよ…
気にすんな、ブラック家が少しでも役に立つなら、
いくらでも聞け。俺はなんとも思ってねぇよ」

そう伝えれば止まっていたメープルマフィンに伸びる手がまた動き出した。

「そうだ。教えた代わりにいつか、
俺が聞いてほしい時に言うことを聞いてくれよ」

Aは怪訝そうな顔をしたが
分かった。と言った。