月が綺麗ですね【親世代】⑤ (ページ7)

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自業自得　リリーside ページ7

小さな物音に目が覚めた

時計を見ると7時前、
横を見るともうAが身支度を始めていた

「おはようA、早いわね…
それに一人で起きるなんて…」

『あ、おはよ…』

そう言って振り向いた顔はクマが酷い。
顔色もどことなく悪くて
可愛い顔が台無しだ。

「ちょっと！どうしたのその顔！
酷い顔よ」

『昨日の夜あんまり寝れなかったの…』

先生に呼ばれたと言っていたけど、
どの先生に呼ばれてたのかしら？

補習なんて、考えられないし

でも、この顔、聞けそうにないわ…

「温かい紅茶でも飲みましょ」

『うん』

そう答えるけど、まだぼーっとしているA

談話室に降りるとソファに座り
日刊預言者新聞を見ている

紅茶を蒸らしている間に後ろから覗き込むと
見ているのは【例のあの人】の文字と失踪者の名前

「…A、おはよう」

私の顔を一瞬見てからAにそう言うルーピン。

昨日の新入生の誘導の後、
私は少し怒ってしまったのだ

正直、あの態度は良くないわ。
私はただ2人にうまくいってほしい

お互いが好意を持っているんだ、
それなら、応援したい

『あ…うん…』

Aはルーピンに見向きもせず
新聞を見ている。

まさか、昨日のこと怒ってるの？

ルーピンを見ればショックを受けているような顔
自業自得かもしれないけど、
見ていると少し心が痛む

「A、紅茶…」

『うん、おはよ…』

私の声まで全く聞こえていない。

どうしたの？

「おい？お前どうしたんだ？A？」

『え？あ、シリウス、おはよう
少し聞きたいことがあるの、少し話せない？』

「あぁ？いいけど…
飯食べながらでいい？」

『うん、リリー、紅茶ありがと！
あ、リーマスおはよう！』

そう言ってシリウスと談話室を出て行くA

「何か変よ、だからあんなことするなって…」

横目でルーピンを見ながらそう言うけど
心ここにあらずだ。

「やぁ！リリーおはよう！
あれシリウスはもう降りてきたと思ったけど？」

呑気な人だわ…
でもまあ少し空気が和んだから…
いいかしらね