月が綺麗ですね【親世代】⑤ (ページ4)

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砂糖ページ4

この大広間で声を大にして
声を掛ける男の子はどなた？

割と声が近くでするなぁと思って振り向くと

色白にブロンドの新入生の青い目は
私の目を見ていた。

奥？奥に座ってる人を見てるの？
そう思って振り向くけど座っているのはシリウス

まさかシリウスが女の子に見える？

私、薬作って飲ませた覚えはまだないんだけど…

「あなたです、A・ペベレルさん」

『私！？どうして名前を知ってるの？』

「レイブンクローの先輩にお聞きしました！
私はギルデロイ・ロックハートです、
あなたの濡れたような艶やかな黒髪！
美しい緋色の瞳！本当に素敵だ！」

こんなに真っ正面から褒められてしまうと
どうしても嬉しいし、恥ずかしくて顔が赤くなる

にしても、こんな光景、どっかで見た気が、

『ジェームズ！！！』

「は！はい！？」

急に名前を呼ばれて
驚いたジェームズが椅子から立ち上がる

そうだ1年生の時、リリーに声をかけていた時と
そっくりなんだ。

「僕はギルデロイです」
少しむすっとした顔で呟くその子。

『ごめんね、ギルデロイ君。
取り敢えず、早く戻らなきゃ、
談話室の行き方が分からなくなっちゃうよ』

「また今度、お話ししてくれますか」

『うん！もちろんだよ』

そう言うとキラキラとした笑顔でレイブンクローの机に戻っていく彼。

なんだか眩しい子だったな…

「なんだか、凄い子だったわね」

『本当に…』

リーマスの方を見るとなんだか不機嫌そうな顔をして
紅茶に角砂糖を大量に入れている。

待って待って、それ8個目じゃない！？
溶けるの！？

『リーマス、そろそろ砂糖多いんじゃない…？』

「エバンズ、
そろそろ新入生を談話室に誘導しなきゃ」

一気に紅茶を飲み干してカチャンと音を立てて置くと
リーマスは急に立ち上がった

「え？あ、そうね
じゃあ、後でねA」

何か、怒ってる…？

彼が置いたカップの中には溶け切らなかった
砂糖が残っていた