月が綺麗ですね【親世代】⑤ (ページ25)

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仮面ページ25

ギィ…と重い木製のドアを開けて屋敷の中を覗く

4人は疲れ切ったのか床で寝ている
イビキをかいているのはジェームズかな？

リーマスの様子を見ると傷は、無い
他の3人にもそれは見当たらなかった

もう朝私がここに来る必要も
無いのかもしれない

『みんな！起きて！！』

「ご、ごめんなさい！！」
そう言いながら飛び起きたのはピーター

ごめんなさいって…
思わず笑ってしまう

「あれ？あ、ラーテルおはよう」

『おはようピーター』

他の3人は動く気配が無い

リーマスを見ると、
どうしようもなく好きだと実感する

「ねぇ、なんかほっぺがベタベタしてない？
それになんか服も」

またしても拭うのを忘れていた
ラミアーと一緒にいるといつもこうだ

『テルジオ
あーー、お腹減ったーー
ね、3人は放って2人でご飯食べよう』

いいよ、と言ってくれた
ピーターと一緒に屋敷を出た

本当はリーマスと一緒にあの屋敷にいるのが
辛かった

「ねぇ、ラーテル…
昨日は一人で寂しくなかった…？」

『ちょっとだけ、ね。
でもムーニーの遠吠えが嬉しそうな声だったし
まぁ一匹分声が多かったけど』

でもそれが余計に私を辛くさせた

一人じゃ無いと思わせてくれたあの声が
孤独を引き立たせた

「来月はラーテルと一緒にいようか…？」

なんて嬉しい提案だ

『3人にはピーターが必要だから
それに私は魔法生物が大勢いるから大丈夫だよ』

「そっか…」
どこか嬉しそうなピーター、
必要とされることが彼は嬉しいのだろう

大広間に着いて
リリーや周りのみんなにおはよう、と言ってから
席に着く

どこからか視線を感じて顔を上げると
レギュラス君が私を見ていた

目が合うと微笑む彼はどこか
周りの生徒とは違って大人びている

隣に、いるのはバーティー・クラウチ君だっけ
いい噂は聞かないけど…

彼に笑顔で返してメープルマフィンに取り掛かる

ピーターは夜のことを
楽しそうに話してくれた

もちろん少し声を抑えて

「俺らを置いていくなんて酷いぞラーテル」

遅れて来たのは3人だ

『だって起きる気配が無いから』

口元をひくつかせるな
リーマスの顔を見ろ
声を上擦らせるな

3人も加わって昨日の話をする

ジェームズは少し遠慮がちだったけど
なんとも無い顔をしていれば
楽しい話を沢山聞かせてくれた

ねぇリーマス、私頑張ってる
だからせめて目を見てよ

マフィンの味がしないじゃん