月が綺麗ですね【親世代】⑤ (ページ21)

今日:17 hit、昨日:1 hit、合計:112,883 hit

腫れページ21

急に伝えたいっていう気持ちが込み上げて

それにリーマスも同じ気持ちでいてくれていると
そう思えた

だから言おうとした

『でも…言わせてももらえなかった
ただ、忘れて。だけ言って1人で寮に
戻って行っちゃったの』

情けなくてはらはらと涙が落ちる

何だったのだあのキスは

彼が私を僕のパートナーだ、と
言ってくれたあの時から少し期待していたのに

もうクリスマス休暇も終わって時間は経っているけど
自分の中だけで消化するのは無理があった

「信じられないわ！！！
キスをしといて！？忘れてくれぇ！？
良いわ私が締め上げてやる！！」

「私にも混ぜてもらわなきゃ困る」

まさに今男子寮に乗り込もうと
杖を片手に息を巻く2人を押さえる

『私の勘違いだったのかもしれないから、』

「あなたバカね！
こんなのほっといて良いわけないでしょ！？」

違う、ただ、この後
5人で一緒にいられなくなるのが怖いだけだ

せっかく地図も完成して、
皆がアニメーガスを習得したのだ

こんなことで変な空気にしたくない

知らないフリを何もなかったフリをしてさえいれば
何も無く楽しく過ごせるんだ

「Aは、どうしたい？」

優しいアリアの言葉に喉がギュッと閉まって
嗚咽が漏れる

『本当は好きだって言いたい
でも、それでリーマスが困るなら、言わない…
いつも通り、今まで通りにする…』

「そっか
リリー、Aもこう言ってるし」

リリーはまだ納得のいかない顔をしているけど
頷いてくれた

本当にクリスマス休暇に
閉心術の練習があって良かった

あのままルーピン家に行っていたとしたら
生きた心地がしなかっただろう。

「締め上げてやりたくなったら私に言って
喜んで代役を買って出るから！」

鼻息を荒くしてそう言うリリーと
アリアが友達で本当に良かった

あの時、リーマスは何を考えていたんだろう…

気の迷い？雰囲気？流れ？

そんな軽い言葉で片付けられてしまったら
私はとても耐えられないなぁ

窓を見ればもう少しで満ちるであろう月。

そろそろ満月だ

マローダーズ初めての満月の会議のために
この腫れた目をなんとかしておかなければ