7、やっぱダメだ。心が折れそう…そろそろやばい ページ9
ﾊﾟﾁｯ
『……んっ』
乱｢あ、起きた。｣
『…あれ、僕…何を…』
敦｢【僕】？｣
『いや、違くて…僕？俺？あれ、僕？』
乱｢記憶が混濁してるようだね…｣
あれれ？僕？俺？
今まで何してたんだっけ…
えっと、治っちの同僚さんが遊びに来てから煙草吸ってるの怒られて其れから…あれ？
『うﾞっｸﾞｩｯ』
国｢おい、大丈夫か！｣
頭が痛い。割れる様な痛みだ…
幻聴が聞こえる。幻覚が見える。
否、あれは幻覚でも幻聴でも無い。
昔の僕の泣き声だった。
ーーーーーーーーーーーー
『いや！やめてかあさん！熱いよぅ…』
母さんが俺の背中に煙草の火を押し付けて来る。
母｢煩い、この出来損ない！あんたのせいで私までこんな目に遭っているだから当たり前の償いよ。寧ろ優しい私に感謝して土下座なさいっ｣
母さんは貧しい育ちだった。
母さんは
仕事で、どこの誰かも知らない人との間に出来た子供が僕だった。
母さんは僕のせいで仕事が出来なくなった。
堕ろせる金も無かったので僕を産んだ。
当然仕事は出来ず貧しくなる一方で。
泣きながら母の形見を売っていた。
母さんは自分の人生の不幸さを嘆いては壊れていった。
心を病んだ母さんは僕に当った。
…僕ができたせいで。
僕の、せい。
『ごめんなさい…』
母さんは僕が泣いていたのが気に食わなかったらしい。
母｢あんたが泣いてどうすんの?!私の方が辛いわよ！泣きたいわよ！しんでよ！あんたなんか…！｣
又1つ、2つと根性焼きの痕が増えて行く。
ｼﾞｭｯ
『ぁ…いや…やめてかあさん…御免なさい御免なさい、僕が生まれて御免なさい…』
ーーーーーーーーーーーー
『消えろ、消えてくれっ…！』
頭を只管掻き毟った。
既に意識はぼんやりとしている。
俺がこれを覚えていたらきっと壊れてしまうと思った自己防衛機能が、きっと記憶之奥で封印していたのだろう。
これは、僕の記憶だった。
母さんは恨んでいる。
殴られて、蹴られて。
只、これだけの暴力だと思っていた。
こんなにも非道いなんて。
他にもどんどん記憶が流れ込んでくる。
水に顔を無理矢理入れる、
カッターで切りつける、
髪を掴んで僕を振り回す。
愛されたい、だなんて。
僕には母さんしかいない、この人は母だ、なんて。
若しかしたら愛してるけど、八つ当たりしてるだけなのかも…だなんて。
バカバカしい。
見当違いだ。
…気付いたってもう手遅れじゃないか。
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鳥帽子 - 蛞蝓の旦那(希望)さん» うわわ、番外編ありがとうございます！夢主くんと母さんのくだりがやっぱ最高です！ (2019年9月11日 7時) (
レス) id: fae1fbaff6 (このIDを非表示/違反報告)
蛞蝓の旦那(希望)(プロフ) - ふおぉ！ありがたい！飴と鞭…ﾒﾓﾒﾓ参考にしますね！番外編みたいなので書くかもです、貴重な意見ありがとうです！ (2019年9月10日 23時) (レス) id: 672a6d2039 (このIDを非表示/違反報告)
鳥帽子 - 好きです(唐突)夢主くんのトラウマ系っていうのがぶっ刺さりました。体調に気をつけて無理のない更新をしてください (もしも夢主くんの母が飴と鞭の使い分けが上手かった時夢君の反応が気になりました！神格化するのでしょうか？もし良ければ書いてください！) (2019年9月10日 21時) (レス) id: fae1fbaff6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蛞蝓の旦那(希望) | 作成日時：2019年8月11日 0時
