05# 真意 ページ7
和泉が美咲のところに行くはずはないから、猿比古のところ。
名无は強者狙いだから、恐らく尊さんはのところ。
伊古奈はGPS切ってるし……。
結妃は雑魚と遊んでる、って考えるべきだろうか。
「美咲……」
「A?」
「!?」
「やっぱりAじゃねぇか!!」
美咲だ。
私と美咲は同じクラスの同級生。
結妃のおかげで、小さな縁から仲の良い友人にまでになっている。
「美咲、何してるの?」
「アンナが……つっても分からねえよな。まあ、ソイツが“黒いのが来る”って」
残念だけど、それは私達。
漆黒のクラン……“Eclipse”。
「美咲は……その黒いものを知ってる?」
「あぁ……“黒の王”だ」
黒、なんていう生易しいものじゃない。
「……じゃあ、さよならかな」
我々は……闇に紛れし、漆黒のクラン。
「は? お前……何言って――」
「《制止》」
タクトを美咲の額に当て、そう言うと、彼の身体は止まる。
視線と、口だけしか動けない。
「!?」
「身体……動かないでしょ」
「A、お前……ストレ――」
美咲が私の力に気付いた時、後ろから誰かに抱き付かれた。
「A」
「お前っ……あん時の!」
美咲が驚いて言うその相手。
伊古奈だった。
「ヤタガラス……。Aの学友?」
「うん。そうだよ」
「でも、敵同士。残念」
「何だよ、それ……」
「Aは“漆黒”の王……我らが王」
美咲の驚愕した表情。
彼のことは本当に、一人の友人として好きだった。
嫌いじゃない。
猿比古と喧嘩したり、じゃれあったりする姿。
彼ら二人のことは、嫌いじゃない。
「A……嘘、だよな?」
「嘘じゃないよ」
「否定しろよ! 俺ら友達だろ!?」
「友達だよ。でも……来ないで。これ以上踏み込まれたくない」
私はこんなことしたくない。
でも、こうしなくてはならない。
漆黒の王として、時空を調律しなくてはいけない。
創造と破壊を繰り返しながら……。
「……和泉」
“あぁ? 今忙しいんだけど! 伏見相手なんだよ!!”
「使用許可。今すぐに。サンクトゥム、張るから」
“訳アリか。了解……”
「美咲。また明日……笑って会おうね。《解除》」
「どういう意味だよ!」
その時、空気が振動した。
「あれ……ってA!?」
「おはよ、美咲。倒れてたけど」
「あ、あぁ……悪いな」
私こそ。
ごめんね。
(意味深)
(時空の調律師なのに、時を乱す能力)
(それも意味がある)
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桜久蘆ヶ(プロフ) - 紫蘭さん» コメント有難う御座います。ちょっとネタ切れを起こしていて更新は気紛れなのですが、宜しくお願いします。主人公ちゃん結構フラフラしてるんでね、オチはまだ先ですねえ(笑) (2016年9月19日 20時) (
レス) id: f39c732943 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - とても好みの作品です！読んでいて飽きないし面白いです。私的に尊さんと付き合わないかなという願望があります← 更新頑張ってください！楽しみにしてます(*^^*) (2016年9月19日 20時) (レス) id: 3701746fb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：久遠深ヶ | 作成日時：2016年1月4日 4時
