20# 今更 ページ24
「……」
「どうだ」
「A様に聞いてみなければ、私には判断致しかねます」
「だろうな」
御子神家邸宅。
四代目家元、御子神弌日の書斎に雨水守夜鵺はいた。
「お聞きしても、宜しいでしょうか」
「何をだ。言ってみろ」
「何故、今頃になってその様なお話が出て来るのでしょうか」
「……Aには言わないで貰いたいのだが、それでもいいか?」
「えぇ、約束致します」
「申し訳無くなってきてな。双子も特殊能力を持つのに、Aだけ手離してしまった。
今思えば、
「奥様が……」
夜鵺には心当たりがあった。
“夜鵺さん……《小さな王様》を、宜しくお願いしますね”
“え……?”
“いつか分かる時が来ます。それまで、この言葉を覚えていて頂けると、私は嬉しいです”
彼女が言っていた《小さな王様》というのは、“A”のこと。
彼女は未来を見据えていた。
Aが王として目覚める頃には、自分がいないことも。
「A様にお伝えしておきます。他に、何かご用件はありますか?」
「否、特には」
「では、失礼させて頂きます」
未来予知のストレイン。
それがAの母親、御子神弥名。
“この子は……自分を大切にしてくれるでしょうか”
“きっと――”
“長い命に、飽きている様で……悲しげなのです”
最初は何を言っているのかさっぱりだった。
が、彼女が亡くなってからその意味が分かった。
「あ、夜鵺」
「これは……初様」
「定期報告?」
「その帰りで御座います。初様はどうなされたのですか?」
「夜鵺に用事。時間、平気かな」
「……大丈夫です」
Aの双子の兄は、父よりも彼女に理解がある。
そして、協力的だ。
“アノ”一件で見方が変わったんだろうか……。
「夜鵺? 何してるの、ぼーっとして」
「! 失礼致しました」
「いいよ、別に。疲れてるのにごめんね」
「いえ……」
彼ら双子もまた、ストレインなのだから。
アノ“一件”で発現した、特殊能力……。
“夜鵺、どうしよう……初と続もストレインにっ――”
“!?”
あの焦ったAの表情は今でも脳裏に焼き付いている。
(チッ……おっせーなぁ)
(続、今来たよー)
(っお、おう)
(遅いとか思ってたんでしょ)
(!)
(はい図星ー)
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桜久蘆ヶ(プロフ) - 紫蘭さん» コメント有難う御座います。ちょっとネタ切れを起こしていて更新は気紛れなのですが、宜しくお願いします。主人公ちゃん結構フラフラしてるんでね、オチはまだ先ですねえ(笑) (2016年9月19日 20時) (
レス) id: f39c732943 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - とても好みの作品です！読んでいて飽きないし面白いです。私的に尊さんと付き合わないかなという願望があります← 更新頑張ってください！楽しみにしてます(*^^*) (2016年9月19日 20時) (レス) id: 3701746fb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：久遠深ヶ | 作成日時：2016年1月4日 4時
