17# 不知 ページ21
「へえ……その理由を聞いても? 私たちにメリットはありますか?」
「えぇ、勿論ありますよ。漆黒のクランの安全を保証します。何かあれば対処しますしね」
「……それは、阿須波と隠で間に合ってます」
「ふふっ……防壁展開!」
“アスハ”という女ががクルっと回って見せると、ソイツを中心として透明な球が出来上がった。
「見ての通り……。これは能力も物理的攻撃も弾きます。
それに隠の力を持ってすれば、更にそれは強固なものになりますから」
「そうですか。ですが、またお会いした時に、もう一度その答えを聞かせて下さい」
「……」
ヒヨリは無言で室長のことを睨み付けると、俺の方を向き、少し笑みを溢して帰って行った。
相変わらず、花の香りが鼻を擽っていた。
「ヒヨリ……」
「伏見くん」
「何ですか」
「彼女の“ダモクレスの剣”を見たことがありますか?」
「!?」
言われてみれば一度も見たことがない。
力を交えたとしても、ヒヨリは“時”の力と太刀での応戦。
時々、訳の分からない能力が飛んでくることはあるが……。
「その様子では無いようですね」
「……」
「王であれば、ストレインとしての能力も抑えられる筈なんですがね……。
彼女はどうも、それがない」
「本当に王かどうか、疑ってるってことですか」
「半信半疑、と言ったところですかね」
アイツが……本気になったところなんて見たことない。
だから、ダモクレスの剣を見たことないのは当たり前かもしれない。
特殊能力“だけ”で止めきるのって少し苦しいんだよね。長く持って、5分が限界かなあ”
「!」
特殊能力“だけ”では長く持たない。
つまり、幾らか王の力の影響はある。
そして、王の力を使えば、“時”はヒヨリの思うがまま……ってことか。
***
連と阿須波を祠札ビルまで送り届けると、私は再び街へ出た。
行き先は“HOMRA”。
隠から、とある情報を掴んだと連絡があったのだ。
「こんにち――」
「Aちゃん危ない!」
「!? 《制止》」
(“もしもし、ミコさん?”)
(隠? どうかしたの?)
(“頼まれてたやつ、取り敢えず収集ついたので資料送ります”)
(予想より早かったな……。ありがとう。このままBar HOMRAに行くから、夜鵺に宜しく)
(“はい”)
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桜久蘆ヶ(プロフ) - 紫蘭さん» コメント有難う御座います。ちょっとネタ切れを起こしていて更新は気紛れなのですが、宜しくお願いします。主人公ちゃん結構フラフラしてるんでね、オチはまだ先ですねえ(笑) (2016年9月19日 20時) (
レス) id: f39c732943 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - とても好みの作品です！読んでいて飽きないし面白いです。私的に尊さんと付き合わないかなという願望があります← 更新頑張ってください！楽しみにしてます(*^^*) (2016年9月19日 20時) (レス) id: 3701746fb2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：久遠深ヶ | 作成日時：2016年1月4日 4時
