darling64 ページ5
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『勝利くん ♪』
勝利くんの姿が見えてきたので
走ってぎゅっと後ろから抱きつくと
苦笑いをしながら振り向いた。
『寒いねー!!もう11月だよ』
勝利くんの出場する陸上の大会も終わり
部活の引退を迎えた放課後、
勝利くんの部活姿を見に行くことがなくなった。
勝利くんといつも一緒に帰れることは嬉しいけど
走っている姿を見れなくなったのが
『悲しいんだよね…』
「なにが?」
『だって勝利くんの部活してる姿…』
「それもう5回聞いたから。」
『聞きあきるぐらい言いたいよ。』
「で、大学決めた?」
いきなり話を戻した勝利くんに
あたしはすぐに黙り込んでしまった。
『…………。』
「バイト先みたいな場所、向いてると思うけど。」
『あぁなるほど…』
確かに接客業は、楽しくて、好き。
『あたしもらった大学のパンフレット見て
調べてみるね!
ありがとう!勝利くん!!』
あたしがそう言って笑うと
勝利くんはため息をついた。
あたしなんかまずいこといった!?
知らず知らずのうちに!?
「しょ…っ!!?』
謝ろうと勝利くんの顔を覗くと、
あたしは信じられないものをみた。
『勝利くん…顔真っ赤…』
いつも無表情か不機嫌か
いいときで少し笑うぐらいの勝利くんが
顔を赤く染めて、片目をおさえていた。
『勝利くんどうしちゃったの!?』
勝利くんのその表情に釘付けになっていると
真っ赤な顔でぼそっとあたしにいった。
「今、見ないで。」
きゅーんっっ!!!!!
その言葉に胸が苦しくなって
あたしまでも顔が真っ赤になってしまった。
『勝利くんも真っ赤になっちゃうことあるんだねっ』
思っていることを素直に口にすると
勝利くんがこっちを向いた。
「誰のせいで真っ赤になったとおもってんの?」
まだ少し赤い勝利くんが
不機嫌そうにそう聞いてきた。
『誰?………えっ!?
あたしのせいで顔真っ赤なの?!』
「ばっ馬!!声でかい!」
何人かの生徒があたしの声に振り向くと
勝利くんが必死になってあたしの口をおさえた。
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作者名:そみん | 作成日時:2021年2月27日 2時