関田が4人 ページ6
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引き続き情報収集をするため、園内を適当に散歩していたところ、「あ」と、小さな声が聞こえた。声のするほうに顔を向けると、男の子が二人。園児服についているワッペンを見てみる限り、どうやら二人ともバラ組の子らしい。あのノエルくんの支配下にいるヤツらだ。可哀想になぁ、と無意識に同情していたら、右側の男の子があたしを指さし、ぼそっと呟いた。
「さっき、喋ってた人」
左側の子が一度あたしをチラッとみて、視線を右側の男の子へ戻し、首をかしげて訊く。
「誰と?」
「はるみちゃん」
「うわ、ひろき、まだ佐藤さんのストーカーやってんのかよ。気持ちわりィなぁ。……ぐ、くる、くるしいよ!」
「え?聞こえません」
右側の男の子(ひろきくん?)が左側の男の子の首をしめはじめたところで、あたしもようやく慌てて動き出した。
「ちょっと!ダメだよ、危ないでしょ」
ひろきくんの手を無理矢理離させ(園児のくせに意外と強かった)、左側の男の子の背中をさする。ケホッケホッと咳き込んでいて苦しそうだ。心配になって思わず眉も下がってしまう。
「だ、大丈夫?」
「ケホ、大丈夫にみえる?もっとはやく助けられたんじゃないの??」
「……は」
「まぁ、この かなう様を助けるなんて機会そうそうないだろうし、貴重な経験できたねぇ、お姉さん。喜んでいいよ。……ぐ、くる、苦しいよお姉さん!!」
「あ、ごめん」
思わず手がのびてしまった。だけどこれはあたしに非はないはずだ。……こう、掴みやすい首してるコイツが悪い。かなうくんといっただろうか、彼はまた咳き込むと、隣のひろきくんがボソッと「きも」というのが聞こえた。かなうくんはそういうキャラなのかもしれない。
「ところで、あたしに何か用事なの?」
「……え」
先程、はるみちゃんと喋っていた人、といってあたしを指さしたひろきくんに向かって問いかける。ひろきくんは「べつに」とキッパリ断った。なら話は速い。さっさと立ち去って関田くんを捜しにいこう、と足先を変えようとすると、エプロンをちょいちょいと引っ張られた。かなうくんはあたしに用事があるらしい。
「お姉さん、関田くんについて調べてるんでしょ?」
なんでそれを。
驚いて目を見開けば、得意気に胸をはった。
「さっき、マンダリオに聞いた」
「……そういえば、言ってましたね」
なるほど。さすが、長というだけはあって、クラスのみんなとしっかり情報共有しているらしい。
かなうくんに肯定の返事をすれば、彼は高らかに、且つ饒舌に語りだした。
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ベリナイ - ならば良かったです。 (2018年9月17日 18時) (レス) id: bda104b069 (このIDを非表示/違反報告)
三椏(プロフ) - ベリナイさん» 桜菊兎さんは元気だよ (2018年8月18日 23時) (レス) id: 44e737eac4 (このIDを非表示/違反報告)
ベリナイ - こっ、更新をがっ、頑張って下さい!あまり急かしませんが。 (2018年4月26日 20時) (レス) id: b84193994f (このIDを非表示/違反報告)
ベリナイ - 桜菊兎さん» 裕貴君は四六時中ゲームしてるので、まず占ツクの存在自体知らないと思います。なので安心して下さいw (2018年3月29日 19時) (レス) id: b84193994f (このIDを非表示/違反報告)
桜菊兎(プロフ) - ベリナイさん» ありがとうございますー!何も知らないなら本当に良かったでーす!! (2018年3月27日 23時) (レス) id: 2158c115ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜菊兎 | 作成日時:2017年7月9日 21時