▽ ページ10
「すごいでしょ？」
菜の花畑から顔を出したAはニコリと微笑んでいた。確かにこれはすごく綺麗で魅力的な場所だと思う。俺らの魔界にあるトウゲンの花畑の方がすごいけれど。
「ああ……、すごく綺麗だね。癒されるよ」
「そう？」
「でも……、君の方が綺麗だね」
「……」
彼女のことをはめたはずなのに、なぜか頬を膨らませてプリプリと怒っている。なぜ怒っているのかと聞くと、「余計なお世辞はよしてよ」と顔を赤らめてどこかに隠れてしまった。
あーあ、やってしまったか。俺はなんでこんなに良いことをしようって思っているんだろうか？ もう少し悪になったっていいじゃないか……。
なぜだ……、俺はなぜ彼女をはめたんだ。好きだから……なのか？
俺は菜の花畑に背を向けて逃げようとすると、１枚の黒い羽がひらりと正面をよぎっていく。
不思議に思って上を見上げると、紫の物体が俺の正面にドスンと落ちて来た。そいつをよく見ると、俺の妹のクレアだった。胸が大きくて、美しいスタイルのその女性は俺と同じ黒の毛皮と茶色い服を着ていた。
「ちょっと兄貴。どこにいたと思ったら、こんな花畑にいたのね。全く」
彼女はふうっと一息ついて、キリッと睨みつけていた。
「す、すまん。で、何のようだ。急な用事か？」
「父上が呼んでいますよ。あなたのことを」
「俺の父上が……？」
俺の父は魔界をおさめる王様で、一番の権力者であった。次の魔界をおさめるのは俺かもしくは双子の兄さんのどちらかに受け継がれるだろう。もしかしたら、それを決めるために集めるに違いない。
俺はとにかくクレアの後についていくことにした。
紫の翼を広げて、空へと飛ぼうとすると誰かに左手を掴まれた。その手の方を目だけで見ると、Aが涙を浮かべながら何かもごもごとつぶやいている。
その声をよく聞こうとすると、彼女は手を掴みながらこう言った。
「本当に行っちゃうの？」
「ああ、ただ家に帰るだけだ。後でまた戻ってくから少しだけ待っていてくれ」
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美月(プロフ) - 今読んでいる所なので、少しだけお待ちください！ (2018年2月18日 15時) (
レス) id: 8bca99ae07 (このIDを非表示/違反報告)
心の雨と虹の空(プロフ) - misaki66666さん» 背景を変えるですか……。少し試してみようと思います。過激な表現はできるだけ少なくしたつもりでしたが……その出てくる数は考えていなかったので、参考になりました。感想とアドバイスをありがとうございました。 (2018年1月5日 9時) (レス) id: 469d2368ce (このIDを非表示/違反報告)
misaki66666(プロフ) - 後、少し過激な表現があるお話に、五つ星の内星が○○個、と決めておくと分かりやすいと思います。文なども凄くいいと思います。続編も読んでの感想です。 (2018年1月4日 21時) (レス) id: c4f0e9bc83 (このIDを非表示/違反報告)
misaki66666(プロフ) - こんばんは。「シャニー」が作ったイベントにコメントを頂いた者です。貴方の作品は、とてもいいと思います。ここが悪いと言うなら、まず背景の画像が少し怖いです。もう少し可愛い絵に変えてみてはいかがでしょう。でも本当にこのままでもいいと思いますよ。 (2018年1月4日 21時) (レス) id: c4f0e9bc83 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅまろ(プロフ) - 心の雨と虹の空さん» はい、応援してます！^^* (2017年12月18日 20時) (レス) id: 452482f8ee (このIDを非表示/違反報告)
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