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警察官が中に入ってくると同時に、僕は花畑の方へ走っていく。Aはガーデニングのところでうずくまっていたが、それを無視して森の中に入っていく。

森の中を転びながら走って行くと、どれくらいかして暗い森を抜けた。森を抜けた向かうにある岩の上を立ち止まって眺め、その小さな黒い家に向かうことを決意した。




岩を登るのは結構大変で、手にきずがよくできるが構わずに登りつめた。下を見ると、目が絡みそうな高さに思わず手を放したくなった。けれど渾身(こんしん)の力を振り絞り、なんとか登ることができた。


ふっーとため息をついて、家の赤いドアをノックすると誰かの叫び声が聞こえた。どうやら窓が少しだけ開いているようだ。


「ちょっと親父、どうして金を貸してくれねえんだよ! ちょっとくらい貸せよ! 大金持ってるんだろ」

「よさんか、ルビル。君はわしの大切な家族じゃが、金は貸せんよ。自分で稼ぐのが一番だ」

「うるせえ! 稼いだってな、すぐに使っちまうんだよ」

「それは君が悪いんじゃないのかね? 貯めればいいだけだが」

「もう知らねえよ! 俺はもう家を出て行くからな。止まるんじゃねえぞ」


窓がパシッと勢いよく閉められて、その数秒後にドアが開いて金髪の青白い顔をした長身の男がやってきた。白いシャツを出しているだらしない格好の男は、こちらに気づいたのか鋭い見下すような目つきで見てきた。


「なんだ。俺に用か? それとも親父に用か? お前のことは知らねえけどよ、親父にはあんまり口出さない方がいいぜ」

ルビルという男は口を開くと、鋭い白牙(はくが)が上下2本見え隠れしていた。

こいつは人間じゃなくて、奇形人なのか? よく分からないけれど、とにかくチャラい男だということは明らかだ。

「ル、ルビルさん」

遠ざかっていくルビルさんの人差し指にはめていた金色の指輪を見ながら、呼び止めた。あの指輪は「バラの伯爵」と同じ光沢と色をしているので、もしかするとこの男が犯人だと思ったから、呼び止めたのだ。決して話したいと思ったわけではない。

ルビルさんは振り返り、充血したその瞳でこちらを見ていた。ギラギラと光らせている目は狼のような獰猛(どうもう)さが見え隠れしていた。

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設定タグ:名前変換オリジナル , ダークファンタジー , ミステリー   
作品ジャンル:純文学, オリジナル作品
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美月(プロフ) - 今読んでいる所なので、少しだけお待ちください! (2018年2月18日 15時) (レス) id: 8bca99ae07 (このIDを非表示/違反報告)
心の雨と虹の空(プロフ) - misaki66666さん» 背景を変えるですか……。少し試してみようと思います。過激な表現はできるだけ少なくしたつもりでしたが……その出てくる数は考えていなかったので、参考になりました。感想とアドバイスをありがとうございました。 (2018年1月5日 9時) (レス) id: 469d2368ce (このIDを非表示/違反報告)
misaki66666(プロフ) - 後、少し過激な表現があるお話に、五つ星の内星が○○個、と決めておくと分かりやすいと思います。文なども凄くいいと思います。続編も読んでの感想です。 (2018年1月4日 21時) (レス) id: c4f0e9bc83 (このIDを非表示/違反報告)
misaki66666(プロフ) - こんばんは。「シャニー」が作ったイベントにコメントを頂いた者です。貴方の作品は、とてもいいと思います。ここが悪いと言うなら、まず背景の画像が少し怖いです。もう少し可愛い絵に変えてみてはいかがでしょう。でも本当にこのままでもいいと思いますよ。 (2018年1月4日 21時) (レス) id: c4f0e9bc83 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅまろ(プロフ) - 心の雨と虹の空さん» はい、応援してます!^^* (2017年12月18日 20時) (レス) id: 452482f8ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うららk | 作者ホームページ:ないよ  
作成日時:2017年11月27日 21時

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