３章：悪魔にはムチを〜短刀の秘密〜 ページ16
俺は魔界にある自分の家に入っていた。黒いレンガの壁で覆われたこの立派な城の中は黒ではなく、茶色で統一されている。しかも通路は非常に狭く、人一人がやっと入れるくらいだ。
その細い道を通って、父上の部屋にクレアと共に向かうとようやく大きな青い扉へと行き着いた。
その扉を開けると、ほのかにトウゲンの花の毒々しい匂いが微かに鼻を誘わせている。
その扉の向こうには大きな赤いレースが垂れ下がり、その奥には父上がお座りになっている。
(本当は隠れていてよく見えないが)
その隣にいつもならば母上が立っているのだが、今日は用事があるようで出席していなかった。
俺はその場で座り込み、深々と頭を下げる。
「父上、なんの御用でしょうか？」
「用だと？ ああ、そうだったな。次の私の継承者を選びたいがために君を呼んだ。そして、私のもう1人の息子も呼んだ」
俺の後ろから1人の黒い毛皮で覆われた金髪の男が、のこのことやって来た。俺と違ってすらっとした身体をしている。
彼の名はムルードスだ。
俺は生まれた時から彼が1番嫌いだ。
「よお、久しぶりだな。君と会うの久しぶりすぎて、どんなやつか覚えてないや。確か名前は……すまねえな、名前なんて覚えてねえや。それにしても君、老けたんじゃね？ ヨボヨボのじいさ……」
「やめんか、ムルードス」
父上は怒り口調でムルードスの嫌味叩きを止めた。これはいつものことである。
あいつが嫌いなのは、言葉に邪気が走っているからだ。双子だというのになぜか性格が真逆で、しかもとても兄の方が奇形人に好かれている。
なぜだ？
なぜ兄貴の方がモテるんだ……。
俺は良いことをしようとし過ぎているのか？
このままでは次に継がれるのは兄貴になってしまう！ どうすれば俺もモテるように……。
それを見透かすようにムルードスは俺の前に出て、自分の胸を右手で当て左手は下ろして、
「では、私が次の王様になりましょう。なぜなら人気だからです。私の方がずっとずっと」
と偉そうにしかも一番の権力者にその態度とは、う ざいのにもほどがある。
俺はふうっとため息をつき、息を殺しながらも父上の対応に耳を傾けていた。
「ほう……そうか……。だが、貴様は態度がダメだ。態度の良さはクロノから学んだ方がいいだろう」
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美月(プロフ) - 今読んでいる所なので、少しだけお待ちください！ (2018年2月18日 15時) (
レス) id: 8bca99ae07 (このIDを非表示/違反報告)
心の雨と虹の空(プロフ) - misaki66666さん» 背景を変えるですか……。少し試してみようと思います。過激な表現はできるだけ少なくしたつもりでしたが……その出てくる数は考えていなかったので、参考になりました。感想とアドバイスをありがとうございました。 (2018年1月5日 9時) (レス) id: 469d2368ce (このIDを非表示/違反報告)
misaki66666(プロフ) - 後、少し過激な表現があるお話に、五つ星の内星が○○個、と決めておくと分かりやすいと思います。文なども凄くいいと思います。続編も読んでの感想です。 (2018年1月4日 21時) (レス) id: c4f0e9bc83 (このIDを非表示/違反報告)
misaki66666(プロフ) - こんばんは。「シャニー」が作ったイベントにコメントを頂いた者です。貴方の作品は、とてもいいと思います。ここが悪いと言うなら、まず背景の画像が少し怖いです。もう少し可愛い絵に変えてみてはいかがでしょう。でも本当にこのままでもいいと思いますよ。 (2018年1月4日 21時) (レス) id: c4f0e9bc83 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅまろ(プロフ) - 心の雨と虹の空さん» はい、応援してます！^^* (2017年12月18日 20時) (レス) id: 452482f8ee (このIDを非表示/違反報告)
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