モテたいとは言ったがそれは望んでいないよ【忍たま乱太郎】【山田利吉】 (ページ7)

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7話ページ7

『好きって…絶対嘘じゃんか』

ヒックヒックと泣きながら自分の部屋で怒っていた。突然好きだとか意味がわからない。

『謝りにいこうかな…突然怒って出ていっちゃたのは私だし…利吉怒ってるよね』

自分を責めながらもようやく落ち着いてきたので謝りに行こうと、障子に手をかけた。

「Aっ、ここにいたのか」

開けるとそこにはちょうど此処に入ろうとしていた利吉がいた。突然の事だからスパン！と閉めてしまい、焦っている。

『(なんでいるの？)どうしよう…謝る？怒る？』

「怒らないんでほしいんだが…」

閉めたはずの障子はいつのまにか空いていて、久しぶりに会う利吉は身長差を感じられる男になっていた。

『えっと、えっと…』
「何も言わなくていいよ。さっきはごめん」

謝ってきたのは利吉からだった。謝ってくるは想定外だった。

昔から私の事を言ってくるけど謝ったのは初めてだったと思う。

「さっき、出芝鹿之介が君に酷い事を言っていて咄嗟にあんな事を言ってしまったんだ。すまない」

じゃあ、好きだったのは嘘？

そう思うと胸がチクチクし始めた。

なんでだろう。ずっと嫌いだったやつになんでこんなに辛い思いをさせられるんだろう

ボロボロと涙が込み上げてきてまた泣き始めてしまった。

「…君はすぐ泣くのは何故なんだい？ほっとけないよ。あと、好きなのは本当だよ。恋愛的に、友達的になんて言わせない」

『えっ″？すき？恋いてるの？私の事を…？？』

「二度も言わせないでくれ。Aのことが好きだ」

今までの事を考えると嘘のように思えてくる。
だけど心の中ではとても喜んでしまっている自分がいる

『ごめん、今日はもう帰って…』

自分に素直になれないまま帰してしまった