とある令嬢は愛されたい【石上優】 (ページ2)

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出会いページ2

貴方side

時を遡ること10年前…。
私、道明寺Aは当時5歳。母は病院に入院、父は仕事。だから二人を見ることはあんまりない。でも家には集や他のお手伝いさんが沢山いるから寂しくない。

『集！お母様のお見舞いに行きたいわ』

集「かしこまりました。今車を出しますね」

『ありがとう』

集が出してくれた車に乗り込もうとした時、あることを思い出した。

『ねえ集。この前本でお見舞いには果物やお花を持っていくと読んだわ。私も何か持っていきたいのだけれど…』

集「かしこまりました。病院までの道に花屋があったはずです。そこでいくらか買って行きましょうか」

『そうしましょう！お母様きっと喜んでくれるわ！」

お母様に似合う色は…なんて考えながら車に乗り込む。集が花屋に寄るように運転手に伝えて車は走り出した。

『着いたー！』

お花屋さんに着いて私は車からぴょん、と飛び降りた。いつもは窓から眺めるだけだったからすごく楽しみだ。

「いらっしゃいませ」

綺麗な女性が出迎えてくれた。お店の看板と同じロゴの入ったエプロンをしているところを見ると店員さんのようだ。
「お見舞い用に1束作って欲しいのですが…」と集が注文して作ってもらってる間に店内のお花を見て回ることにした。

『そういえば、お花にはそれぞれ花言葉があるのよね。これはなんていうのかな…』

「それはカーネーション。花言葉は「母への愛」。」

『へ？あ、貴方は？』

石「あ、えっと…あそこにいる店員の子供。ここは母さんの店でたまに手伝いしてるんだ」

『すごい…！お手伝いなんてえらいですね！」

石「別に…あんた名前は？」

『あ、道明寺Aです。貴方は？』

石「石上優」

『優くんですね！それでは優くん、他のお花の花言葉も教えてもらえませんか？」

石「まあ、いいけど。これは…」

私たちは集に呼ばれるまでお花を見て笑っていた。

これが、私と優くんの出会い。