優艶恋愛

肆。 ページ5

重たい瞼を開く。
すると、眼下には綺麗な着物が広がっていて。


桃色の柄のない、着物。
鏡で確認すると、髪も、顔も身嗜みも、
きちんと整えられていた。



「ぁ、そう言えば。
ここ、どこ···?」



真っ暗な部屋は月明かりだけで輝いていた。
見覚えのない大きな部屋は凄く綺麗で豪華だった。


まずは、ここから出よう。
と思い、襖を開けた。
そこには、沢山の女の人がいた。
しかも、正座をして頭を下げている。



「な、何なのこれ?!」



私は、意味がわからなくなり、
少しパニック状態になった。
そこから走って抜け出し、階段を降りる。


出口を見つけ手をかけた。
そのまま扉を開くと石の階段が。


階段の下を見ると、
役人さん達がたくさんいた。
私は、その場にペタッと座り込んだ。



「本当にここどこ?
もうヤダ····家に、帰りたい····」



後ろを向くと大きな城が。
それは茂々様の城に似ていた。


そのまま前に目線を戻すと、飛んでる人影。
城で見えなくなったと思ったら大きな音が聞こえた。



「····何?あの人。
こっちを見てる····?」



光の灯る部屋には、顔は良く見えないけど、
男の人が一人、
女の人が一人いた。
その三つ編の女の人が、
私を見ているように見えた。




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少しネタバレですが、
三つ編の女の人は、
神威です。
でも、神威は男子だと
知っているので、
女性だと勘違いした
訳じゃないです。

神奈の部屋。→←参。　　　-No side-

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