【銀魂】第七師団の人間４【神威】

冷気。 ページ7

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「待った待った」

今この人は「鬼兵隊」と言ったか？
いや、私の聞き間違いだろうか。

「鬼兵隊」と言えば晋助が率いていた部隊ではないか。
それが宇宙に進出していると言うのだろうか。
銀ちゃんやヅラはそんなこと少しも話していなかった。
私達の中で宇宙に出て行っているのは辰馬と私(不可抗力)だけの筈だ。
まさか晋助までも宇宙に飛び出して行ったなんてこともあり得るのだろうか。

そもそも「鬼兵隊」と言っても、晋助が率いている部隊とは違う「鬼兵隊」かもしれない。
名前が被ることなんて良くあることだろう。
読みが同じなだけで漢字が違うかもしれない。
もしかしたら「KIHEITAI」かもしれないではないか。

「…何ですか？」

「…その『鬼兵隊』の総督さんってさぁ、髪色に紫の入ったやけに色っぽい男性だったりする感じかな？」

これに当てはまれば、殆ど確実に晋助の部隊だと思う。
あの人はイメチェンとかするキャラではないと思うから。
いや、坊主にしてたらしてたで凄く面白いだろうから大歓迎なんだけれども。

「そうですね。…そんな感じの男性だったと思います」

「菉」の答えは適当感が出過ぎていて信用出来る程のものではなかったが、少しでも可能性があるなら私のモチベーションが上がるというものだ。

鬼兵隊に属する接待相手とお近付きになることが出来れば晋助との再会も夢ではないだろう。
こうなったら本気で接待するしかない。
今の私に出来る最大限の接待をお見舞いしてやろう。

「…何ニヤニヤしてるんですか」

私の頬に冷たい「菉」の手が触れる。
その異様な冷気に思わず身を震わせた。

いきなり冷え冷えの缶ジュースを首元に当てられたときと同じ感覚。
暖かい紅茶を飲んでいたというのに、何故そんなにも手が冷たいのだろう。
思考が止められて「菉」を見つめ続ける私を不審に思ったのか、頬に添えた手を引っ込めた。

「ニヤケ顔の次は蒼白ですか…忙しい方ですね」

誰だって急に触れられたらびっくりするだろう。
しかもその手が異様に冷たかったとなれば尚更だ。
抗議の目で「菉」を見るも、紅茶のカップ等の諸々を運んで来たトレーに乗せて漸くこの部屋から出て行く準備を始めた。

邪魔をしてまた此処に留まられると何だか気不味いので、私は何となく「菉」から視線を外した。

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