詳細。 ページ6
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「…まぁ、この話はよそうよ?してて楽しい話じゃないからさ」
「あぁ、わかりました。では本題に入らせていただきますね」
先程の話は本題ではなかったのか。
またティーカップに手を伸ばした「菉」は、目に見えて面倒くさそうだ。
如何やらこの人は真面目に働きはするが、その仕事に誇りやらそういうものは持っていないように見える。
惰性が滲み出ている無気力な瞳を見つめてそう思った。
決して貶しているわけではないんだよ。
「依頼の詳細についてなのですが…何か聞きたいことはありますか?」
「…うん?」
いやいやいやいや…聞きたいことは「全て」だよ。
依頼内容を私は少ししか知らないのだから。
「とある集会に出席して、接待する」という大まかな内容しか阿伏兎から聞かされていないのだから。
一体その集会が何処で執り行われるのか、どれくらいの規模のものなのか、接待相手は何処の組織に属しているのか、それとも単体なのか。
そもそも、身の安全の保証はしてくれるのか。
それが一番重要なのである。
幾ら報酬が高かろうと、歌舞伎町に帰れなければ意味を成さない。
銀ちゃんをこんなところまで引っ張って来てしまったのだ。
何事もなく一緒に万事屋に帰らなければならない。
「…場所は春雨本部。規模は貴女様が受け持った今迄の接待業務で行かれた集会とは比べものになりません。接待相手は鬼兵隊所属男性」
急に淡々と詳細を述べた「菉」。
それは私の頭に入ることなくすうっと抜けて行ってしまった。
あまりにいきなり話し始めるのだからしょうがないと思う。
「いきなり全部言わないでよ!もう一回もう一回っ!」
「…ちゃんと一度で聞き取ってください」
大きなため息を目の前で盛大に吐かれ、苛立ちを覚えた。
一度で聞き取ってほしいならいきなり話すのはやめてほしいものだ。
いきなり情報を与えられると頭が混乱してしまう。
「場所は春雨本部。貴女様が何度か団長に連れられて元老様の御目にかかった場所です。
規模は言わなくても理解出来ますよね。本部で執り行われる集会です。今迄貴方様が受け持って来た接待業務以上の質が求められます。
接待相手は鬼兵隊所属男性。危険な男だと囁かれていますが、安心して下さい。人間ですから」
私は耳を疑った。
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*Shino*(一応受験生)(プロフ) - マリーさん» またまたお久しぶりです。もうすぐ冬休みということで、また復活してみました笑 前までのように定期的に更新できるわけではありませんが、時間が取れそうな時に話を作っていきたいと思います! (2017年12月18日 13時) (レス) id: 857fd7727f (このIDを非表示/違反報告)
マリー(プロフ) - *Shino*(一応受験生)さん» 覚えてくれていただなんて(滝涙)大変ですよね!体育祭だとか私も最近ありました!ちょっと遅い地域で。ここの神威も夢主ちゃんも作者さんも皆好きです!頑張ってください!ずっと応援してます!お忙しい中返信ありがとうございました! (2017年10月2日 1時) (レス) id: 5afa144aee (このIDを非表示/違反報告)
*Shino*(一応受験生)(プロフ) - マリーさん» 覚えてますよ!大分初期の方にコメントをくださった方ですよね…?復活しようと思ってたんですが…体育祭のある週に外部テストが連日…からと定期テストと鬼畜なスケジュールに挟まれてこちらに手が回らない状態です(>人<;) (2017年10月2日 0時) (レス) id: 857fd7727f (このIDを非表示/違反報告)
*Shino*(一応受験生)(プロフ) - ふぅさん» ありがとうございます!ここから少し変化後の日常を挟んで、吉原炎上篇に入るつもりなんです…!根気があれば洛陽篇もやりたいんです(願望)← (2017年10月2日 0時) (レス) id: 857fd7727f (このIDを非表示/違反報告)
*Shino*(一応受験生)(プロフ) - ミリアさん» 閲覧ありがとうございます!今は学校行事諸々で申し訳ないですがこちらに手が回りそうにないです…受験が終わり次第、更新出来るように頑張りたいと思います! (2017年10月2日 0時) (レス) id: 857fd7727f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*Shino* | 作成日時:2017年1月25日 19時