【銀魂】第七師団の人間４【神威】

三コンボ。 ページ46

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「な、にするの…」

犯人であり、私を腕で締め付けて苦しめる神威を睨みつける。
…当然、私が睨みつけたところで神威が止める筈ないんだけど。
未だ首筋に唇を寄せる変態を引き剥がすべく、また腕を押そうとしても身体がぞわぞわする所為でうまく出来ない。

「…何、してるノ？」

少し掠れた声は、何だかまったりしている。
多分まだ寝惚けているのだろう。
寝惚けている奴の腕を動かせない自分に、少し腹を立てながら、強気で返した。

「顔を洗いに行きたいの！離してよ」

また腕をぐっと押しても、ビクともしない。
どうして私はこんなに力が弱いのだ。
やっぱりプロテインが必要なのだろうか。

「駄目だヨ」なんて言いながら、私をまた抱え直す神威に身を任せてしまおうか。
この暖かい布団の中ならまた一眠り出来そうな気がして、反抗しても逃がしてくれそうにない腕を抱き締めるように丸まった。

きっと駄目な時間になったら阿伏兎が怒りながら入ってくるだろう。
それまでは、ゆっくりしていてもいいかな。
そうだ、神威が私を離さないから私が時間通りに起きられないのは不可抗力であって____。
朝の言い訳も思い付いたところで、私は目を閉じた。

「…寝ちゃうの？」

「…っ」

耳元で寂しそうにそう囁かれて、カッと目を開いた。
何てことをするのだ。
神威も私の身体にそって丸まったらしい。
余計に距離が近くなってしまって、動揺する。

「…耳元で話さないでよ。びっくりする…」

「目、覚めたデショ？」

悪戯っ子のような笑みを浮かべる神威を横目に見つつ、顔を歪めた。
二度寝はさせてくれないらしい。
それなら、腕を離してくれ。
顔を洗って朝ご飯を食べに行きたいのだ。

…あの一件以来私の部屋がなくなって、神威と同室になってしまってからずっとこんな感じだ。
ベッドは一つしかないし、一緒に寝ると決まって抱き締められている。
そして朝も神威が満足するまで離してくれないときた。
この三コンボを回避する方法は未だ見つからず、私が時間通りに朝ご飯を食べれたことは帰って来てから片手で数えられる程だ。

まぁ確かに、私は刺された部屋で過ごしたくはなかったし、神威の側に居たいと思うから良いのだけれど。

やっぱり変わってしまった日常に、嬉しいと戸惑いが絶妙に混ざり合って不思議な気持ちを抱いていた。
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