【銀魂】第七師団の人間４【神威】

待合室。 ページ42

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辺りは思いの外静まり返っていた。
もっと騒ぎになっているかと思っていたけど、心配していた程でもないのかもしれない。
まぁ、ここが単純に会場から離れているだけなのかもしれないけど。

「春雨：第七師団様待合室」
そうかかれた札が掛かっている部屋の前で足を止めた。
なるほど、私が探していた部屋は先程の部屋の斜め前だったらしい。
…随分と遠回りしちゃったな。
ここを探して艦内をぐるぐると歩き回ったお蔭で足が疲れた。
慣れない格好の所為もあるだろう。

何だかさっきの行動が無駄に思えて思わずため息が出た。
それと同時、目の前の扉が開く。

「…おォ、遅かったじゃァねェか」

「…」

そこには、阿伏兎と晋助が向かい合ってソファに腰掛けていた。
何だか珍しい組み合わせだな。
阿伏兎はほとほと呆れ果てたような顔で半笑い。
晋助は特に顔色を変えることなく、こちらを一瞥しただけだった。

「…ちょっと色々あってね」

少し掠れた声が出た。
あぁ…そういえば緊張して大分精神も肉体もすり減らしたんだっけ。
どこから出て来たのか、師団の団員の１人が私にもお茶を入れてくれる。
感謝として軽く頭を下げて、お茶が置かれている阿伏兎の隣に腰掛けた。

重たい沈黙。
何を言っていいかわからず、阿伏兎の方を見ても晋助の方を見ても黙ったままだった。

私が出されたお茶を啜るズズッという音だけが部屋に響く。
…緊張してしまうじゃないか。
暖かい緑茶で一息つこうにも、何だか妙な緊張感が私を縛ってくるのだ。

何か私から話題を持ちかけたら良いのだろうか。
あー、こんなときに話を盛り上げてくれる人が居たらなぁ！
…駄目だ、生憎第七師団にそんな人員は居ない。
耐え兼ねてまたはぁっと息を吐き出すと、遂に口を開いた。

「で、お前さん。団長とは上手くいったみたいだな？」

「っぶ！！！」

うん？
今この副団長様は何と仰った？

お茶が気管に入り、思いっきり噎せてしまう。
当たり前だろう。
いきなりそんなことを…しかも断定的に聞かれたのだから。

げほげほと咳を繰り返していると、阿伏兎が背中をさすってきた。

「…っ上手くいくも何も…ないけど」

「じゃァ、その身なりは何があった？」

今度は晋助が口を開く。

身なり？
はて、何のことやら。とクエスチョンマークを浮かべると、偶然にもドレッサーの鏡の中の自分と目があった。

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